今回は日本百名山の一つに選ばれている早池峰山に登山してきました。標高は1,917mです。
岩手県の中央部から南へと連なる北上山地の最高峰となっており、日本最古とされる蛇紋岩の露出が目立つ、特徴的な山肌をしています。

小田越登山口から登り始めれば、標準コースタイムで2時間30分ほどで山頂に立てることもあり、百名山の中でも比較的簡単に登ることのできるのもポイントです。
また、早池峰山は花の名山としても知られるところであり…
- ハヤチネウスユキソウ
- ナンブイヌナヅナ
- ナンブトウウチソウ
…などなど、140種以上の希少な高山植物が咲き誇ることでも有名です。
その中でも特に有名なのが、ヨーロッパのエーデルワイスと近い種であるとされるハヤチネウスユキソウで、この山だけの固有種となっている花。

白くて可憐な花びらが美しく、この花を目当てに登山する方も多いのではないでしょうか?(実際、私もその一人)
以下からは、そんな早池峰山についてご紹介させていただきます。お付き合いいただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
(登山日:2024年8月3日)
早池峰山の基本情報
早池峰山の基本情報となります。
所在 | 岩手県宮古市・遠野市・花巻市 |
山系 | 北上山地 |
標高 | 1,917m |
標準コースタイム | 約4時間40分 (小田越をピストンの場合) |
主な登山口 | ・小田越登山口(花巻市) ・握沢登山口(宮古市) ・悠久のみちトンネル(宮古市) |
山のステータス | ・日本百名山 ・新日本百名山 ・花の百名山 ・新花の百名山 |
登山適期 | 5月~10月 |
登山バッチ | 早池峰ロッジ 峰南荘 |
以下は補足です。
- ハヤチネウスユキソウが見頃を迎える6月下旬~7月中旬が一番の人混みとなるようです。
- 例年、登山者の多い6月第2日曜日から8月第1日曜日までの土曜・日曜・祝日のみ、車両の交通規制がなされます。(後述)
- 交通規制がなされる日は、岳駐車場でシャトルバスに乗り換える必要あり。(後述)
- うすゆき山荘、小田越山荘については、山荘となっていますが無人の避難小屋です。
- 前泊する場合は岳集落の峰南荘か大和坊が候補となりそう。(後述)
- 河原の坊登山口については、崩落のため通行禁止。復旧時期未定。
- 山頂付近に霊池があり、修験者が祈るとたちまち水が湧いてくることから『早池の泉』と命名され、そこからきた説
- アイヌ語の『パ・ヤ・チネカ』(東方の陸の棚)からきた説…など諸説あり。
早池峰山はこんな山 魅力的なところ4つ!
早池峰山の特徴的なところをご紹介させていただきます。
- 日本百名山の一つ!
- 小田越からなら約2時間30分で山頂に立てる!
- 森林限界を早めに超えるため、開放的な山歩きを楽しめる!
- ハヤチネウスユキソウなど固有の高山植物を愛でることができる!
日本百名山の一つ!
言わずと知れた日本百名山の一座であり、高山植物の楽園にもなっている場所で、『いつか登ってみたい!』と思っている方も多いのではないでしょうか。


私ごときがこんなことを言ってしまうのは、気が引けてしまうとことはあるのですが、登山が趣味の人間であるならば、『万人受けする、絶対に外さない山である!』というのが感想です。
詳細は以下に譲りますが、適度なコースタイム、早々に迎える森林限界、高山植物の楽園という3拍子揃った名山で、初心者にもオススメできるこの山に欠点はあるのか?…と感じてしまうくらいの名山です。
(ただ、アクセスは少し面倒かもしれない…。)
小田越からなら約2時間30分で山頂に立てる!
一番人気の登山口である小田越からであれば、登りのコースタイムは2時間30分となっており、他の日本百名山と比べても比較的に短時間で山頂に立つことができます。
ピストンの場合でも4時間40分となっており、適度な登山を楽しめる山でもあります。

早めに下山して、郷土の偉人である宮沢賢治ゆかりの地を巡ってみるのも面白いかもしれませんね。
ただ、『それだけじゃ物足りないよ!』
…という方もご安心を。
小田越登山口は、早池峰山の対面に位置する薬師岳の登山口にもなっており、早池峰山から早々に下山して体力・時間に余裕があるのであれば、もう一山登ってみるのも、面白そうです。

薬師岳の往復のコースタイムは約2時間30分となっており、健脚者であれば両方登っても日帰りの登山の射程圏内には収まります。
薬師岳の山頂は早池峰山の絶好の展望台となっている場所です。先ほど登頂した山を、今度は俯瞰して眺めてみるというのも面白いモノですよ。
森林限界を早めに超えるため、開放的な山歩きを楽しめる!
小田越登山口から登り始めた場合、1合目にあたる御門口というポイントから、早々に森林限界を迎えてしまいます。

わずか30分程度の樹林帯を歩くだけで、開放的な登山道と高山植物の楽園があなたを出迎えてくれるのです。
『辛い登りの末に絶景が待っているのが登山である…。』
そんな常識を覆してくれるのがこの早池峰山という山の魅力の一つだと感じています。
ハヤチネウスユキソウなど固有の高山植物を愛でることができる!
早々に森林限界を迎え、景観ばかりに目が行きがちな早池峰山ですが、足元に目を向けることもお忘れなく!
色とりどりの高山植物が登山道を彩っていますよ。

早池峰山の固有種であるハヤチネウスユキソウをはじめとして、希少な高山植物の宝庫となっており、『顔を上げて景観を眺め、足元の高山植物にも目をやって…』と、楽しくも、忙しい登山となること間違いなし!
今回歩いたコースマップ(小田越~早池峰山~鶏頭山)
今回は早池峰山の登山口の中でも、最もメジャーな小田越登山口から登山を開始し、三山縦走ルート(早池峰山~中岳~鶏頭山)を踏破し、岳駐車場へと下山するルートを歩いてきました。

三山縦走ルートについてはかなりの難路であると感じました。体力に自信がない場合は、小田越のピストン登山を推奨させていただきます。
なお、コースマップについてはフリーハンドとなっており、一部正確でない部分がございます。登山に出かける際には、必ず地図かGPSアプリなどの持参をお願いします。
コースタイム(小田越~早池峰山~鶏頭山)
小田越登山口~早池峰山~鶏頭山~岳集落と縦走した場合のコースタイムとなっております。
なお、標準のコースタイムは9時間10分です。
・小田越登山口・・・06:15
・早池峰山山頂・・・07:50
(山頂で休憩)・・・09:15出発
・中岳到着・・・10:35
・鶏頭山着・・・12:25
・岳集落着・・・14:40
なお、実際に小田越登山口➡早池峰山➡三山縦走ルートで下山を歩いた模様もブログの記事としております。こちらをご覧いただければ、より詳細にコースの状況を把握できます♪
早池峰山の難易度について
小田越えから早池峰山の山頂までと、早池峰山の山頂から三山縦走ルートを通って下山するパートに分けて解説させていただきます。
小田越登山口から早池峰山の山頂まで
危険個所は特に無いように感じました。
小田越から登る場合であれば、名物となっている2連ハシゴを越えて行く必要がありますが、ハシゴも頑丈に固定されており、そこまで難しく感じませんでした。


強いて言うのであれば、小田越コース全般に言えることですが、滑りやすい蛇紋岩が多く岩場は注意が必要かもしれません。特に雨天時や雨の次の日なんかは、よりツルツル滑りやすくなることが予想されます。


また、登山道の多くは岩場となっており、浮石も多いので、落石についても気を付けたいポイントです。楽しいはずの登山で事故なんか起こしたくないですからね…。
登山道についても明瞭で道迷いの心配は無いように感じました。多くの人がアクセスするコースなので、安心感もあります。
早池峰山~中岳~鶏頭山の三山縦走コースについて
こちらについては、安易にオススメできない難易度です…。無難に小田越コースをピストンすることをお勧めします。
理由は3つ。
- コースの大半が岩場で歩きづらく、体力を消耗する…。
- 滑落するとただでは済まないような岩場の急降下ポイントがある…。
- 人も少なく登山道がわからりづらい…。
一つ目 コースの大半が岩場である点
三山縦走コースの全体を通じて、岩場の上を歩くこととなり、予想以上に体力が消耗し、ペースも上がりません。


ポイントによっては岩をよじ登ったりする場面もあり、終始気が抜けない登山道であったように感じています。
さらに、雨で濡れていると最悪です。滑りやすくなるでしょうし、余計に体力を消耗するでしょう。その場合は、無難に小田越コースをピストンすることを強く推奨します。
二つ目 岩場の急降下ポイントについて
早池峰山を出発して2㎞ほど歩いて行くと、中岳の山頂へと至ります。その中岳から少し進んだ『140番の看板のポイント』については、特に注意が必要なポイントです。

最初このポイントに到着した際には、どのように進めば良いのか、さっぱり理解ができませんでした。
実際には以下の写真のように降りるようで、かなり緊張感がありました。

写真では伝わりづらいかもしれませんが、実際に訪れてみると、かなり高度感があります。足場も悪いので注意して進みましょう。
また、ご紹介をさせていただいた140番のポイント以外でも、切り立った崖の岩場を通過していくポイントもありますので、中岳の周辺は特に注意して進んでください。

三つ目 登山道がわかりづらい
二つ目でも少し触れましたが、岩場をよじ登ったりしていく際に、『本当にこのまま進んで大丈夫なのか?』、『コースから離れているのではないか?』と不安になるポイントが多くありました。


尾根上であれば、まだ見通しがきくのですが、樹林帯の中の岩場や尾根から逸れて進もうとする場合には、何度か足を止めて確認しなければならなかったのが、非常に億劫で気を遣うポイントでした。
また、三山縦走に挑戦する方は少数のようで、早池峰山までの喧騒とはうって変わって、静かな山域が広がっている場所です。
静かな山域と評すればメリットのように聞こえますが、私が歩いた時には、正直、心細さがが勝りました…。
早池峰山登山口までのアクセス
アクセスについては以下の5つに分けて解説します。
- 早池峰山のシーズン中の車両規制について
- 公共交通機関で行く場合
- 直行バスを使用する場合
- 車で行く場合
- 岳集落から小田越登山口まで(シャトルバス運行)
なお、最もメジャーな小田越登山口までは、現在、路線バスが通じておりません。
車がない場合は、有限会社ファミリー観光岩手が運行する直行バスがおススメですが、シーズン中のみの完全予約制となっています。(私の場合は泣く泣くタクシーを活用してアクセスしました…。)
シーズン中の車両規制について
早池峰山の小田越登山口までは、例年、登山者の多い6月第2日曜日から8月第1日曜日までの土曜・日曜・祝日(以下『シーズン中』と表記)のみ、車両の交通規制がなされています。
参考までに、令和6年度については、令和6年6月9日(日)から8月4日(日)までの土曜・日曜・祝日で、合計18日間が規制日となっています。
よって、規制日に登山をされる場合は、岳集落の駐車場からシャトルバスに乗り換えて、小田越登山口までアクセスする必要があります。


概念図については、以下もご覧ください。

公共個通機関(バス・電車)でアクセスする場合
冒頭で少々述べさせていただきましたが、登山口のある小田越(及び岳集落)までは、路線バスが通じておりません。
よって、出来るだけ岳集落に近しいところまで移動したのち、タクシーを呼んでアクセスする必要があります。
仮に東京から新幹線で新花巻駅にアクセスされたのであれば、新花巻駅からコミュニティバスに乗車し、大迫バスターミナルまで移動してからタクシーを呼ぶのが一般的なようです(なお、花巻駅、いわて花巻空港から出発する場合も同じバスとなります。)。
首尾よく岳集落に到着したら、シーズン中の場合は、岳集落でシャトルバスに乗り換えが必要です。規制日以外であれば、そのまま小田越登山口まで運んでもらうのがベターでしょうか。

なお、私の場合は、下調べが不十分であったため、新花巻駅からタクシーに乗ってそのまま岳集落へとアクセスしました。所要は約50分、タクシー料金は約12,000円となりました…。
直行バスでアクセスする場合 【オススメ!】
上記以外にも、シーズン中については有限会社ファミリー観光岩手さんが運行する直行バスを使用する方法があります。
コチラであれば、花巻駅・新花巻駅・大迫バスターミナルから乗り換えなしで小田越登山口までアクセスが可能です。
ただし、完全予約制で5日前からの予約が必須となります。また、運行日もシーズン中(土曜・日曜・祝日のみ)のようなので、注意が必要が必要です。
例年、直行バスの運行概要と車両規制日の情報は以下のサイトで更新されておりますので、ご確認をお願いします。
- 早池峰山登山(花巻観光協会ホームページ)
- 早池峰山への登山に関する情報(岩手県ホームページ)
- 早池峰山に旅をしよう(有限会社ファミリー観光岩手公式)

車でアクセスする場合
小田越登山口には駐車場がありません。
小田越登山口の手前にある、河原の坊には50台程度の駐車場がスペースがあり、そちらが最寄りとなります。(小田越登山口まで徒歩約2㎞)
ただし、車両規制のあるシーズン中は、車両規制エリアの中にあるため使用することはできませんのでご注意ください。
シーズン中は、岳駐車場に車を停めて、シャトルバスに乗り換えるのが一般的です。
岳駐車場からシャトルバスで登山口まで
例年、シーズン中は岳駐車場から小田越登山口(~江繋駐車場)までシャトルバスが運行しています。
シーズン中は岳駐車場に特設テントが設置されますので、そちらで受付を行いバスに乗車しましょう。料金は小田越登山口まで片道1,000円となります。

令和6年度については、シーズン中のシャトルバスの運行は1日16本となっており、本数に関してはかなり多めです。人数によっては増発便もあるようで、乗り遅れの心配はなさそうです。
【参考情報➀】前泊も選択肢? 近辺の宿泊施設について
早池峰山は岩手県の奥深場所に位置しており、アクセスも簡単ではありません。私のように遠方から訪れる場合は、前泊も視野に入れて山行を計画してみてはいかがでしょうか?
有人の宿泊施設であれば、岳集落にある峰南荘、若しくは大和坊が候補となりますのでご検討ください。
早池峰ロッヂ峰南荘
早池峰山で最も登られれているであろう、小田越登山口から一番近い有人のお宿となっています。
早池峰ロッヂ峰南荘
・住所:岩手県花巻市大迫町内川目1-72
・電話番号:0198-48-5214
・収容人数:約35名
・料金:1泊2食(夕食・朝弁当)12,500円(税込)
※素泊まり 6,600円(税込)
・営業期間:5月~10月の期間営業
・参考URL:公式ホームぺージ(早池峰ロッジ峰南荘)
ちなみに、わたしが早池峰山に登山をした際は、前泊地としては峰南荘様にお世話になりました。シーズン中は山荘前にシャトルバスが停車しますので、アクセスも非常に楽チンです。
峰南荘に一泊した時の模もブログの記事としておりますので、よろしければ併せてご覧ください(*- -)(*_ _)ペコリ
民宿 大和坊
岳集落の早池峰神社の目の前にある民宿となっています。

民宿 大和坊
・住所:岩手県花巻市大迫町内川目第1地割11
・電話番号:0198-48-5504
※公式サイトなどは無いようなので、直接電話で予約をする必要があります。料金などの最新情報についても、お電話で確認をお願いします。
大和坊様からはシャトルバスの始発である岳駐車場は目と鼻の先にあるので、アクセスも非常に便利です。
なお、早池峰神社の御朱印については、どうやら大和坊様でいただけるようです。
【参考情報②】河原の坊コースの通行禁止について
キャンプ場や駐車場が完備されている河原の坊から直登する、所謂、河原の坊コースについては、2016年5月から通行が禁止されています。
どうやら大雨の影響で登山道の一部が崩壊してしまったようです。
引き続き、河原の坊の駐車場は開放されているようですが、シーズン中は車両規制(例年6月上旬~8月上旬までの土・日・祝日)が行われている場所なので、注意が必要です。
私事ですが…、
学生時代に河原の坊でテントを張り、翌朝、直登して早池峰山に登山したことがあったので、ルート自体が通行禁止となり、復旧のめどもが立っていないと知ったときは、何とも言えず、寂しい気持ちになったのでした。
また、いつごろからなのかは不明ですが、平津戸コースについても、森林組合の作業道で危険個所が多いため通行禁止となっています。
おわりに
こんな末尾までご覧をいただきまして誠にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
さて、こんな隅々まで本ページをご覧いただいたということは、きっとあなたは『早池峰山に相当興味のある方』なのではないでしょうか?

ご紹介をさせていただいたとおり、早池峰山は万人受けする名山の中の名山です。行って後悔することはないでしょう。
ただ、
『興味はあるけど遠いし…。』、『なんだかんだで面倒くさい…。』という気持ちも痛いほどわかります。
しかし、最高の一日を過ごすためには多少の努力は必要です!
今日が人生で一番若い日です。
早池峰山は一生ものの登山経験ができる場所だと思います。
興味があるのであれば、思い切って行動してみませんか?
・・・
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