今回は日本百名山の一つに選ばれている早池峰山に登山してきました。標高は1,917mです。
本来、早池峰山登山と言われると登山口のある小田越をピストンするのが一般的とされており、事実、各種ブログ、ヤマップ・ヤマレコ等を拝見していも、そのような記録が特に目立ちます。


そして、健脚自慢の方であれば、下山してから対面の薬師岳へと足を運ぶというのも、一つの王道パターンとなっているようですね。
しかし、登山界における縦走教徒である自身からすると、ピストン登山はできれば避けたいと考えるのは自然の流れ…。いや、摂理であるといっても過言ではないのです。

そこで今回は、早池峰山の登山コースの中でもあまりスポットライトの当たらない、(そして、あまり良い噂を聞かない)三山縦走ルートをチョイスして登山へと繰り出して参りました。
- 標準コースタイムは約9時間
- 総歩行距離は約11.5㎞
- 累計標高差は約1,400m
実際に歩いてみると、聞きしに勝る険路となっており、散々な目に遭って参りました…。
そちらの模様について、気になる方については、是非、お付き合いをいただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
(登山日:2025年8月3日)
早池峰山はこんな山 魅力的なところ4つ!
簡単にですが、早池峰山の魅力的なところをご紹介♪
- 日本百名山の一つ!
- 小田越からなら約2時間30分で山頂に立てる!
- 森林限界を早めに超えるため、開放的な山歩きを楽しめる!
- ハヤチネウスユキソウなど固有の高山植物を愛でることができる!
適度なコースタイム、早々に迎える森林限界、高山植物の楽園のような登山道などなど、挙げればキリがないくらい魅力にあふれた、名山中の名山と言ってしまっても過言ではないはず。

登山の良い所だけをギュッと凝縮した登山体験ができる場所。それが早池峰山です。
ただし、これらは小田越登山口からのピストンを前提としたものとなっています。
三山縦走ルートを含めると、この限りではありませんので、ご容赦を(*- -)(*_ _)ペコリ
なお、三山縦走を含めた詳細なルート解説、難易度、アクセス、見どころ・車両規制・前泊地情報などについては、以下の記事をご参照いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
今回歩いたコースマップ(小田越~早池峰山~鶏頭山)
今回は早池峰山の登山口の中でも、最もメジャーな小田越登山口から登山を開始し、三山縦走ルート(早池峰山~中岳~鶏頭山)を縦走し、岳駐車場へと下山するルートを歩いてきました。

三山縦走ルートについてはかなりの難路であると感じました。
冒頭でも述べておりますが、それなりの歩行距離となりますので、体力も必要です。
- 標準コースタイムは約9時間
- 総歩行距離は約11.5㎞
- 累計標高差は約1,400m
自信がない場合は、小田越のピストン登山を推奨させていただきます。
なお、コースマップについてはフリーハンドとなっており、一部正確でない部分がございます。登山に出かける際には、必ず地図とGPSアプリなどの持参をお願いします。
コースタイム(小田越~早池峰山~鶏頭山)
小田越登山口~早池峰山~鶏頭山~岳集落と縦走した場合のコースタイムとなっております。
なお、標準のコースタイムは9時間10分です。
・小田越登山口・・・06:15
・早池峰山山頂・・・07:50
(山頂で休憩)・・・09:15出発
・中岳到着・・・10:35
・鶏頭山着・・・12:25
・岳集落着・・・14:40
・・・
さて、以下からは実際に登山をした際の模様となっております。併せてお付き合いいただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
【早池峰山Day1】岳集落までの移動辺
大都会・東京駅から発車する新幹線に乗るときは、よい大人となった今でも心がワクワクするのを感じます。


しかも今回の早池峰山にむ向かう新幹線の中では、普段の200%増でワクワクしていました。
・・・
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…というのも、当時は職場の繁忙がピークを迎え、前回の高妻山登山に出かけてからは、まさかの19連勤とかいう、鬼畜の所業としかいいようのない仕打ちに遭っておりました。

正直、働くことに疲れすぎて、精根尽き果てているような状態。
いっそのこと、辞めたろか!…とも思ったのですが、そんな一時の気分だけで、自分の将来にかかわる重大な決断を下すわけにもいかず、ただただ嵐のような職場で、いつか来るだろう晴れ間を待ち続けているような状態だったのです…。

そうして、耐え続けること19日後…。ようやくカレンダー通りの休みが確保できることとなったのでした。
この日をどれだけ待ち侘びただろうか…。
暑い夏の昼下がり、晴れた青空を職場の窓から眺めるのだけは、もう、うんざりなんだ。
夏休みを迎えたであろう家族連れと、道端ですれ違うのも、もう、うんざりなんだ。
SNSで充実した登山記録を眺めるのも、もう、うんざりなんだ。

この夏が終わってしまう前に、私もとにかく遠く…。できるだけ遠くへ行きたい…。
・・・そんな思いもあり、今回は、
- 一泊二日で行けて
- 暑さが和らぐ標高の高い山であり、
- 8月が旬な山
・・・という条件を満たす早池峰山へと旅先を決定したのでした。
『そういえばハヤチネウスユキソウは、まだ間に合うじゃないのかなぁ。』というくらいで、動機はホントその程度。そこそこ遠くならどこでもいいや!という感じ。
宿については、早池峰山から一番近い有人の宿泊施設である峰南荘を押さえ、移動についてはメンドーだからタクシーでいいや( ゚Д゚)という、手抜きっぷりです。

正直、行きたい山をじっくり吟味するという、いつもであればリラックスできるはずの時間すら億劫に感じてしまうくらいだったので、この時は本当に病んでいたんあだなぁと改めて実感しています。
さて、長々と駄文を書き連ねましたが、都会の喧騒と荒波にもまれ、荒み切った日常から脱出するために。
一人のサラリーマンが癒しを求めて、今、旅立ちます。
・・・
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・
ということで、プロローグを挟んだところで、東京から約3時間かけて北上し、岩手県の新花巻駅に到着しました。

到着した瞬間に感じたのは、とにかく暑いということ。東北であれば、もう少し涼しいのかと思っていましたが、全然ですね…。
駅の外に出てみると、THE地方都市というような光景が広がっています。

これが新幹線が停車する駅なのか…?と思ってしまいそうですが、北陸の田舎者である私からすると、このくらい静かな方が逆に落ち着いたりもします。
駅前にはお土産・レストランの入ったビルがあるくらいで、簡素なモノでした。

折角なので、山猫軒というお店で昼食を摂っていくことに。
山猫軒とは面白い名前のレストランだなぁと感じていたのですが、花巻市出身である宮沢賢治の『注文の多い料理店』に出てくる山猫軒にちなんで名づけられたもののようでした。


ほかにも『銀河鉄道の夜』、『風の又三郎』なんかが有名ですが、最近の若い子は知っているのだろうか?
なお、レストラン自体は、どこにでもあるような普通の定食屋といった具合で、ラーメンセットとかいう、東北らしさを微塵も感じないメニューでお腹を満たしていきます。

おいしゅうございました。…が少し反省。
また、館内には、郷土の偉人である大谷翔平の展示スペースが設けてありました。そういえば、花巻東高校の出身だったなぁということを今更ながら思い出します。

どうやら花巻市では、宮沢賢治と大谷翔平が二大巨頭となっているようでした。
・・・
正直、初日は宿のある岳集落へと直行するだけで、時間を持て余していたのですが、新花巻駅で時間を潰すのはここらが限界ということで、タクシー乗り場へと向かうこととします。

駅前にはタクシーが常駐しており、そこはありがたかった。贅沢な移動手段とはなりますが、連日の残業代が振り込まれることに期待して、奮発しちゃってます。
・・・
タクシーを飛ばして、みるみるうちに早池峰山方面へと進んでいきます。緑あふれる田舎の道をのんびりと眺めているだけで、嫌な気持ちも吹き飛んでしまいそうでした。


タクシーの乗車時間は50分ほどだったのですが、運転手さんが地元の方ということで、いろいろと郷土の話をしてくださるのがありがたかった。
今から向かう岳集落では、路線バスも廃止され、子供が学校に通うのにも一苦労の集落だとお伺いしました。

それに引き換え、私ときたら、少しくらい仕事が忙しいからって弱音を吐いてんじゃないよってね。
ただ、一番印象に残っているのは、『今年は特に熊が多いみたいだから、登山中に一回は見るかもねぇ~。』という話題。
いやいや洒落になってない(;´・ω・)
・・・
楽しいおしゃべりは尽きなかったのですが、最後の方では早池峰山がギリギリ見えるポイントを案内してくださったりして、運転手さんには感謝の言葉しかありません。

最後に『早池峰山の対面にある薬師岳やその他にも焼石岳もとっても良い山だから、早池峰山だけ登って満足しないでまた来てね。』とおっしゃっていたのが、すごく印象に残りました。
こんなブログを見ちゃいないとは思いますが、その節は本当にありがとうございました。必ずまた来ます(*- -)(*_ _)ペコリ
・・・
さて、無事タクシーで峰南荘の前まで送り届けでいただいたところで、チェックインを済ませしまいます。

この後、岳集落や早池峰神社などを散歩したりと時間を潰していたのですが、その模様まで紹介してしまうと、さすがに尺が膨大となってしまうので、本記事では割愛~。
峰南荘の中の様子と併せて、散策の模様も記事としていますので、よろしければご覧くださいませ(*- -)(*_ _)ペコリ
といいつつも、峰南荘の内部の様子については、簡単にご紹介させていただきます。




ちなみに、早池峰山の登山バッチでは峰南荘様の売店購入できますので、念のためご紹介させていただきます。


いくつかタイプがありましたが、いずれも白くて可憐なハヤチネウスユキソウがプリントされたものとなっていました。
なお、宿の従業員の方に『ハヤチネウスユキソウは、まだ間に合いますか?』と尋ねてみると…
『あの花は儚そうに見えて、意外としぶといから多分大丈夫ですよ♪』とのことで、ひとまず安心しました。
【早池峰山Day2】小田越登山口からスタート
明けて翌朝。峰南荘の前からおはようございます。

相当疲れが溜まっていたのか、昨日は布団に入ってすぐに寝落ちしてしまったようで、気付けばシャトルバスの出発時刻の15分前という有り様でした。
急いで身支度を整え、ギリギリでシャトルバスに間に合わせることができました。

始発のシャトルバスでしたが、座席はちょうど満席。どうやら峰南荘の従業員の方が事前に乗車人数を伝えていたらしく、ここでバスに乗れないということは無いみたいです。
・・・
バスに乗車して25分ほどで小田越登山口に到着となります。

登山口にはボランティアスタッフと思しき方が常駐しているようで、簡易トイレやお土産品の販売を行っていました。


携帯トイレは一つ500円也~。実はこういうモノを一度も使用したことが無かったので、試しに一つ購入させていただきました。
なお、小田越登山口には簡易トイレが設置されていますが、コチラが今回の登山における最終トイレとなります。

用の足し忘れには十分気を付けましょう。
さて、毎度・毎度、登山開始まで時間がかかって恐縮ですが、ここからようやく登山スタートとなります。

とは言っても、小田越登山口からであれば、2時間も歩けば山頂に立ててしまうんですけどね。油断せずに参りましょうか。
・・・
冒頭は木道の樹林帯歩きが30分ほど続きます。

東北まで来ているということもあり、普段歩いている関東地方の植生とは全く異なるであろう場所ですが、正直、違いは全くわかりませんでした。
いつもの樹林帯といった感じで、淡々と歩みを進めています。もうしばらくは、こんなものかな…。

なんて思っていた矢先・・・

突如として、樹林帯から飛び出してあっという間に森林限界を迎えてしまいます。
この時の感動をどうやって伝えたらよいものか。非常に難しい所ではあるのですが…
普段から登山をしている方であっても、おそらく見慣れていないであろう景色がそこには広がっていました。

まるでRPGのフィールドに迷い込んだような錯覚で、ため息が止まらなくなったのを今でも思い出せるくらいです。
登山口を出発してから30分にも満たない時間しか歩いていないにもかかわらず、この光景は反則だと思う。
そして、森林限界を迎えたポイントで出迎えてくれるのは景色だけではありません。



足元を観察してみると色とりどりの高山植物たちもお出迎えしてくれます。
そして、今回の登山の目的の一つであるハヤチネウスユキソウともここでご対面です。

花の見ごろは例年6月中旬から7月中旬となっており、8月現在では、かなり色あせて元気がなさそうに見えてしました…。ただ、こうして対面できたことには非常に満足♪
仕事で疲れ果ててたけど、思い切って登山しに来て本当に良かった!

この時は喜びを爆発させて、妙にハイテンションになっており、まだここは1合目であるという事実も忘れ、居合わせた方に写真をお願いする始末でした。
・・・
さて、話を登山に戻します。繰り返しになりますが、この森林限界を迎えたポイントは、早池峰山登山における1合目になっています。

小田越登山口の標高が約1250mとなっているので、ここから岩場の登山道を600m近くも登っていく必要があるわけで、そこそこ骨のある登りが必要となります。
また、岩については蛇紋岩質の滑りやすい岩場となっており、注意が必要です。

浮石なんかも多いので、落石にも気を遣いたいところ。
・・・
…と、早池峰山のネガティブな面を少し取り上げてみましたが、正直、早池峰山の山頂までは辛さとかは一切感じませんでした。

岩場を登り続け、少し疲れて顔を上げると最高のロケーションが目の前に広がっている。こんなの楽しくないわけがない。
そんなことを淡々と繰り返していくと、あっという間に5合目に当たる御金蔵(おかねくら)という岩の前を通過していました。


今回の早池峰山においては、登山口から山頂までは、ほぼノンストップで歩き切ったのですが、今にして思えばもう少し休憩を挟みながらゆっくりと登るべきだったか…。
御金蔵を越えて行くとハイマツ帯の竜ケ馬場というポイントを通過していきます。この場所も本当に良かった…。



振り返ると雲海の向こうに見えるのは薬師岳。あちらからは、早池峰山のなだらからな山容を一望できる場所になっています。
・・・
竜ケ馬場のハイマツ帯を抜けて再び岩場上の登山になってくると小田越ルートの名物(?)である、2連ハシゴが姿を現します。


多くの登山者を相手にすることを想定しているのか、かなり頑丈な造りをしており、ちょっとやそっとのことではビクともしない印象を持ちました。
下の写真は登り終えてから撮影したモノですが、高度感はそこそこありますが、危険はほとんど感じません。

私は所謂、三山縦走ルートを使って岳集落へと下山したので、帰りは使用することはありませんでしたが、むしろ下りで使用する方が怖かったかも…。
2連ハシゴを突破してからも、もう少し岩場の登りが続くことになりますが、もう終盤も終盤です。



岩場で辛くなったら、取り敢えず振り返りましょう。
圧倒的なパノラマがいつでも癒してくれる。それが早池峰山登山というものです。
・・・
さて、岩場の登りを終えて木道が再び姿を現すと山頂が近い合図です。もう少し頑張っていきましょう。

下の写真は山頂のすぐ近くにある剣が峰分岐となっています。

この剣が峰に行かなかったことだけが、今回の早池峰山登山における唯一の心残りになっているところ。往復で1時間以上かかってしまうけども、せっかく岩手県まで来てるんだから多少無理してでも、ピークを踏んでおけば良かったかな…。
・・・
さて、黄色が目立つ避難小屋が見えてくると、早池峰山の山頂となります。

もう少し登っていたいな。
そんな風に感じたのは、後に先にも今回の早池峰山だけかもしれません。
一旦、お疲れさまでした。
早池峰山山頂の様子
さて、早池峰山の山頂に到着しました。標高は1,917mです。

午後からは厚めの雲に覆われるという予報となっており、ガスがかかる前に山頂に立つことができて本当に良かった。
山頂には下界に遭った早池峰神社の奥宮が祀られています。

やたらと剣をモチーフとした装飾が多かったのが気にかかります。あとポージングには何の意味もありません。
山頂でひと際目を引く赤色の建造物。

これも早池峰神社奥宮の関連施設でしょうか?
あとは、山頂には一等三角点が設置されています。忘れずにタッチしておきましょう。

日本に973地点にしか設置されていない代物です。これを多いとみるか、少ないとみるかはあなた次第。
・・・
山頂の大部分は岩場となっており、若干、移動には苦労します。



ただ、広くて休憩には最適です。腰を掛けやすい岩場を見つけるのがよいでしょう。
山頂では峰南荘で作っていただいたお弁当で、早めの昼食とさせていただきました。

大変おいしかったのですが、この日は何故か箸が付いていなかった…。仕方なく素手でいただきましとさ。
山頂にも所々にハヤチネウスユキソウが顔を覗かせていました。

色あせて白色が薄くなっているのは、残念だけど君にも出会えてよかったよ。
仕事で精神的にも体力的にもズタボロだったけど、思い切って早池峰山に訪問して本当の良かった。

最高の思い出をありがとうございました!
・・・
…と、締めっぽく語っておりますが、ここまでは本当に天国のような登山体験で、ここでおとなしく引き返しておけば良かったと後々、後悔することとなります。
というのも、下山時に使用した三山縦走ルートの登山道が思っていた以上に過酷なモノであり、クマの痕跡も随所にあって、軽く泣きそうになったことが思い出されるばかりです…。
そんなことになろうとは露しらず、意気揚々と三山縦走ルートの方面へと足を運ぶのでした。
過酷な三山縦走ルートで下山開始 早池峰山~中岳~鶏頭山
そもそも三山縦走ルートとは、早池峰山から出発して、中岳、鶏頭山と登頂し、岳集落へと下山するコースの総称です。

地図で確認すると、一見して等高線もなだらかで、アップダウンも少ない、下り基調のコースに見えるのですが、歩いた感想としてはかなり過酷で道迷いにも注意が必要なコースでした…。
・・・
三山縦走ルートの下山は早池峰山からの下山からスタートしますが、ここはまだなだらかで歩きやすい部分となります。

しかし、登山道の大半は岩の上を歩いて行くことになり、なかなかペースが上がらないのが難点です。登山をした日は終日雨に降られることはありませんでしたが、仮に湿っていたら、かなり歩きにくかっただろうな…。
早池峰山から少し下るとあきらケルンというポイントを通過していきます。

何組かのパーティがここで休憩されていましたが、話を伺ってみると、山頂は混みあって、うるさいから、ここまで下りて休憩しているとのことでした。

確かに、早池峰山を間近で眺められるロケーションで休憩にはピッタリの場所かもしれません。ここまでくるのは有りかもしれない。
・・・
さて、お話を聞いたパーティに別れを告げて、再び歩みを進めていきます。
今回の縦走路については、早池峰山の山頂から中岳・鶏頭山を含めた稜線を一望できるはずなのですが、ご覧の通り、不吉な雲が延々と湧きあがってきており、その姿を確認することできませんでした。

また、これは帰宅してから気付いたのですが、『悪天候時やガスがかかっていると登山道も判別しづらい場所がある』と山の高原の地図には記載されており…、
『まさにその通りだった。』というのが、実際に歩いてみての感想でした。
・・・
まずは1座目の中岳へと進んでいくのですが、相変わらず岩場で歩きづらく、ペースが思うように上がらないのことにヤキモキしてしまいます。



少々、わかりづらいかもしれませんが、上の3枚の写真は全て登山道の写真となっています。道というよりかは、岩の上を伝って歩いているような印象。
そして、コースの大半が岩場の上を歩いて行くこととで予想以上に体力を消耗します。
・・・
岩場に悪戦苦闘しつつも、まずは中岳の山頂に到着~。標高は約1678mで、早池峰山の山頂を出発してから約2㎞に位置しているピークとなります。

岩場の登山道の中に唐突に現れるポイントになっており、意外と見つけにくいかもしれません。ピークハンターの方は特にお気を付けください(*- -)(*_ _)ペコリ
中岳の山頂に限った話ではありませんが、展望は良好です。

ただ、北上山地については土地勘のある場所ではないため、正直、名のある山がどれなのかもサッパリです。まぁ、土地勘があったとしても、かなり怪しいんですけどね…。
尾根上の眺めも素晴らしそうなのですが、相変わらず下界から雲が湧き上がってきており、稜線上で晴れ間と曇のせめぎ合いの様相でした。

まあ、大体の場合、昼過ぎには一旦雲に覆われてしまうんですけどね…。
・・・
さて、この中岳を越えてくると、三山縦走コースの核心部と言えるポイントをいくつか通過していくこととなります。
まず、現れるのがコチラの『140番の看板』のポイントとなります。はじめてこの場に立った時の感想は『これどうやって進んでいけばいいんだよ…?』というモノでした。

いちおうのこと、ルート表示もなされているので一旦降りていくというのはわかったのですが、入り組んだ岩場は足元が悪く、肝を冷やしたポイントであるのは言うまでもない…。

一番の緊張したポイントを通過はしたのですが、それ以降も細い一枚岩のナイフリッジを越えて行くなど、アスレチックな登山道が続いていきます。

鶏頭山に近づくにつれて、登山度は比較的穏やかになっていくのですが、『これは安易にとんでもない道を選択してしまったものだ…。』と軽く後悔したことが、行動中の記録に残されていました。
岩場の稜線をしばらく歩いて行くと樹林帯の中へと突入します。今回の早池峰山登山においては、樹林帯歩きは冒頭のみだったので、なんだか新鮮な気分。

…新鮮な気分になるかと思いきや、登山道には明らかに人間のものとは思えない野生動物の足跡と遭遇。


しかも、森の木々を揺らすモノ音が聞こえてきて一気に緊張感が高まります。
この樹林帯には一応のこと水場もあるはずなのですが、正直、そんな悠長なことを言っていられないくらい焦っていたので、足早に樹林帯を越えてしまいました…。
三山縦走ルートでは、少なくともすれ違った方の人数は0人。早池峰山の山頂からは、何人かのパーティがこちら側へと下っているのを目撃しているのですが、誰とも遭遇することはなく、心細いこと、この上なかった…。
そこそこの登山経験を積んできていると自負していたのですが、『自然を相手にするとこんなにも自分は弱い存在なのか…。』ということを改めて思い知った瞬間でもありました。

・・・
そんなこんあがありつつも樹林帯を脱出。


稜線からは最後の一座である、鶏頭山も見えてきて、安堵したのは良い思い出です。樹林帯を抜けると、幾分か登山道も穏やかになる印象で、心に余裕が生まれてきます。
朝のうちは雲海の中に沈んでいた薬師岳の雄姿もバッチリと拝むことができるように。キレイな三角形の山容は特徴的ですぐにそれだとわかるでしょう。

見渡すばかりモスグリーンの原生林が広がっており、こういうのを本物の手つかずの自然というんだろうなぁと。
いつの間にか稜線上の雲も取れており、心地良い稜線ハイクとなったのでした。
・・・
そうして、ようやくのこと鶏頭山に到着~。標高は約1447m。早池峰山からは5㎞の地点となります。

鶏頭山に到着したときの心境は、こんな感じでした。

無事にたどり着くことができて本当に良かった…。
・・・
鶏頭山の展望は非常に良好で、北上山地を一望できる好立地となっています。



山頂には何名かの登山者にも遭遇しましたが、この鶏頭山だけをお目当てに登ってくる方も多いようです。
『早池峰山から歩いてきました!』というと、『そりゃすごい!』と称賛されるのが、ちょっとだけ気持ちよかった。
それだけの難路であるということは、地元の方は知るところなのでしょうが、もう少し難路であるということはアピールするなりして欲しかったと思ったり…。
・・・
山頂には三角点もありますので、是非、優しくタッチしておきましょうね♪

・・・
さて、休憩も済んだことなので下山を開始します。
目指すゴールである、岳集落は鶏頭山からでも目視することはできるのですが、まだまだ結構下りそうですね…。

下山についても、急坂で注意が必要です。最後まで気を引き締めてまいりましょう!
以下、ダイジェストチックにご紹介をさせていただきます。
・・・
まずは偽鶏頭山まで、稜線の上を歩いて行きましょう。



稜線は鶏頭山までと比べると、比較的穏やかですが、それでも険しい岩場や急坂も多いです。慎重に慎重に。
偽鶏頭山のピークから少し進んでいくと、岳集落方面と七折の滝方面の分岐となります。

この日はもうお腹いっぱいだったので、おとしく岳集落の方面へと下山します。
しばらく下山していくと避難小屋に到着です。


中は意外と清潔なのかな?ただ、ここで宿泊をしたいとは思わなかった…。
ひたすら下山をしていき、水場の看板が現れるとゴールは近い合図です。

無事に下山を完了!


あとはアスファルト舗装の道を歩いて岳集落へと向かいましょう。



お疲れ山でした!そして、当時の私も本当にお疲れさまでした…。
早池峰山の登山を終えて
帰りについては、岳駐車場からタクシーを呼び新花巻駅へと向かいました。

帰りのタクシーでは、なんと行きに私を送り届けてくれたドライバーさんに当たることができて、早池峰トークで車内は大盛り上がりになったのでした。

帰りの車内で『こんな田舎で誇れるものは無いけれども、やっぱり故郷のことを良く言ってもらえると、すんごく嬉しいんだよねぇ。もっと色んな人にも知ってもらえたらねぇ。』と話しているのが、妙に印象に残っています。
こうしてブログやSNSで記事をあげ続けていれば、少しは記憶を風化させずに次の世代の方にも知ってもらえるのだろうか?
大それたこともかもしれませんが、何もしないよりかは、全然ましだろうなと思いつつ、こうしてせっせとブログを書き上げたのでしたさ。
・・・
そして、当時の自身は、仕事の疲労とストレスで登山に行くのも億劫だったのですが、この夏は今しかないんだ!…という強い心を持って登山を強行しています。
とにかく、当時の自分を褒めてあげたい!

お前の選択は英断であったと。
思い切って出かけていなければ、こんな素敵な景色と出会うことは無かったのだから。
ただ、下山時については、半分泣いてましたけどね…。
・・・
さて、ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
これからも、このような形式で試行錯誤をしながらブログを更新していきたいと考えています。皆様におかれましては、たまにで良いので当ブログを覗いていただけますとこれほど嬉しいことはございません。
あなたの次回の夏が忘れられない思い出となりますように!
それでは。
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