【高妻山】おすすめルート・コースマップ・登山難易度・アクセスなどをご紹介!【解説記事】

登山記事

こちらの記事では『高妻山』の魅力的なところ・コースマップ・難易度・アクセス等を写真多めで解説しています。

高妻山は戸隠連邦の最高峰となっており、端正な三角錐の形状をしていることから戸隠富士とも呼ばれています。深田久弥氏が著書『日本百名山』において、高妻山のことを気高いピナクルと称賛したことは、登山界隈ではあまりに有名な話です。

登山道の終盤から眺める高妻山

しかし、そんな美しい山容をした高妻山ではありますが、戸隠連邦の奥地にそびえ、麓からではその山容を仰ぎ見ることは叶いません。

そんな理由からか、日本百名山の中でも、少しばかり地味な山という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?正直、私も百名山の中でも影が薄い山だという印象を抱いていた時期もありました…。

そして、実際に登った方からしても、長いコースタイムと過酷な急登に苦しめられた方も多いはず…。

  

・・・

さて、いきなり高妻山のネガティブな部分を書き連ねましたが、

  • 戸隠連邦の奥地へと進むにつれて次第に姿を現す威厳ある山容
  • 遠くは北アルプスまで眺められる山頂の展望
  • 周辺の北信五岳を見下ろす開放感

・・・などなど、実際に登山をしてみると魅力的な部分も多いということがわかっていただけると思います。

むしろ、『ネガティブな部分を加味しても、なお魅力がまさる山である』と。

  

今回は、そんな高妻山のご紹介記事となっております。

  • どのルートで登ったらよいかわからない…
  • 自分のレベルにあっているか不安…
  • 辛そうだし登山するのを躊躇ためらってしまう…

・・・という方には、ピッタリの記事になっていると思いますので、お付き合いいただけますと幸いです。

  

(登山日:2024年7月10日)

高妻山はこんな山 特徴を5つご紹介♪

高妻山の特徴的な部分をご紹介させていただきます。

  1. 日本百名山の一つ!
  2. 高妻山山頂からの眺望はかなり良し!
  3. 帰りは戸隠牧場でのんびり観光するのも良し!
  4. 標準コースタイム9時間30分。長くハードな登山道…。
  5. 車がなければアクセスは面倒な部類…。

日本百名山の一つ!

日本百名山の著者である深田久弥は高妻山のことを『気高いピナクル』と表現しています。ピナクルとは英語で「頂点」などの意。

まったくもっておっしゃる通りで、私自身も道中のポイントで高妻山の全容を目にした際には、ピラミダルでどっしりとした横綱のような風貌をしており、『これは百名山の風格だぁ。』…と思わず呟いてしまったのでした。

冒頭でも述べましたが、高妻山自体、戸隠連邦の最高峰でありながらも山深い場所に位置しており、麓からその山容を眺めることができない山となっています。

周辺の山岳・北アルプスなどからでも高妻山の姿自体は拝むことはできるのですが、穂先がちょこっと見えるだけで、山体の全容を眺めるのであれば登山道を歩いてたどるしか方法はありません。

  

つまりは、登った人にしか見れない景色が高妻山にはあるということです。

周囲の山からでもピナクルと評された山容を拝むことはできるかもしれませんが、間近で高妻山の迫力ある姿を眺めるには実際に登山をするより方法がありません。

登山をする方だけの特権的な風景を眺めに、是非、高妻山に挑戦してみませんか?

  

高妻山山頂からの眺望はかなり良し!

私が高妻山に登頂した日は生憎、雲が多めの日となってしまいましたが、それでも山頂からの大展望には大満足でした。

左の写真は山頂から乙妻山・妙高山・火打山方面の景観。右側は北アルプス方面の景観です。

長くて辛い登山道を歩き切った後の形式は格別で思い出にもなっています。『今度、北アルプスを訪れた際には、高妻山を探してみよう!』なんてことを山頂では考えていました。

  

また、山頂の景観だけではなく、登山道中では戸隠山・飯綱山方面の景観も素晴らしく、辛い登りであることを忘れてしまいそうなくらいの景観だったのも印象に残っています。

登山道中から飯綱山を眺める

長くて過酷な登山道がフォーカスされる高妻山ではありますが、そんなご褒美のような景観も待っている場所ですよ!

  

帰りは戸隠牧場でのんびり観光するのも良し!

高妻山の一般的な登山の起点は戸隠牧場からとなります。

私自身、普段は東京でサラリーマンをしていることもあり、日常で牧場を訪れることなんて滅多にありません。まさしく牧歌的な雰囲気の場所を歩けたことに新鮮さを感じた一日となりました。

戸隠牧場には名産の蕎麦を食べられるレストランがあったり、美味しいソフトクリームなども販売されています。登山で疲れたら、戸隠牧場で一休みして帰路に就くのも良いアクセントになりそうです。

(ちなみに、戸隠キャンプ場では瓶入りのコカ・コーラも販売されているので、そちらをお目当てにするのもオススメですよ♪)

また、私はソロであったため遠慮しておいたのですが、動物にじかにさわれるふれあい牧場なんかも営業しているようなので、余裕があったら立ち寄ってみると癒されるかもしれません。

  

標準コースタイム9時間30分。なかなかハードな登山道…。

ここまでは魅力的な部分ばかりをご紹介させていただきましたが、高妻山の山頂まではなかなかハードな道ノリが続きます。

  • 累計標高差は約1500m
  • 総歩行距離は約12.5㎞
  • 一般的な周回コース(※)で標準コースタイム約9時間30分
    (※)往路:沢沿いのコース、復路:弥勒尾根コース
  • 最短の弥勒尾根ピストンでも標準コースタイムは約8時間50分

…と体力的にはしんどい登山となることを覚悟した方が良いでしょう。

言わずと知れた、日本百名山の著者・深田久弥も”高妻山への長い登りは急峻で、実に辛かった。ようやく頂上に達して私の喜びは無上であったが、もう乙妻まで足を伸ばす元気がなかった。”と述べています。

これは実際に登ってみて完全に同意するところで、特に9合目に当たる九勢至から山頂までは、激烈な急登でした。登山の終盤という、一番疲れが溜まっている状態の中の急登はかなり辛かったのが思い出されるばかりです…。

登山当日のわたくしも山頂についたころには、かなりグロッキーになっており、乙妻山まで足を伸ばそうとはとても思いませんでした…。

  

車がなければ日帰り登山は難易度高し…。

これは私のように車を持っていない方限定の話となりますが、公共交通機関を使用した場合だと日帰りの高妻山登山はなかなかハードルが高めです。以下詳細。

長野駅から戸隠牧場までの路線バスは、おなじみのアルピコ交通さんのバスのバスで移動することとなります。

始発バス(長野駅発:6時50分)に乗り込んだとしても、戸隠牧場に到着するのは7時55分。帰りのバスのリミットは16時20分発となっています。日帰り登山を目指す場合は、約8時間30分以内に登山をして、バスの停留所までたどり着く必要があります。

前述のとおりですが、

  • 一般的な周回コースで標準コースタイム約9時間30分
  • 最短の弥勒尾根ピストンでも標準コースタイムは約8時間50分

…となっており、どちらのルートを取るにしても巻いて登山を行う必要があります。

なお、バスの時刻表については、2025年4月時点のものとなっています。観光特急戸隠線の時刻を使用しており、詳細な時刻表についてはアルピコ交通さんのホームページで確認をお願いします。

・・・

上述のとおり、公共交通機関を使用する場合は日帰りはやや難しいのがネックです。私の場合は、そもそも自宅から長野駅の始発バスに間に合わせることが物理的に不可能

よって、私の場合は戸隠牧場のすぐ目の前にある、戸隠キャンプ場前泊したのち、高妻山へと挑戦するプランを選択しました。(また、戸隠牧場の周辺には、観光地と言うこともあり、ホテル・旅館・貸しコテージなども点在しています。)

登山口まで徒歩15分に位置する戸隠キャンプ場

折角の百名山登山です。余裕を持って、前日は戸隠エリアの観光に充てて、翌日に高妻山へと挑戦というプランも面白いのではないでしょうか?

以下は私が宿泊した戸隠キャンプ場の模様とキャンプ場近くの瑪瑙(めのう)山に登山した前泊録を記録したものです。宜しければ、参考としてみてください(*- -)(*_ _)ペコリ

なお、道中にある一不動避難小屋については、環境への配慮の観点から緊急時以外の使用は不可とされています。避難小屋を当てにした登山は控えましょう(*- -)(*_ _)ペコリ

一不動避難小屋は、荒天時の緊急用の避難場所です。緊急時以外の宿泊はご遠慮ください。余裕を持って、無理のない山行計画を立てましょう。

長野市公式ホームページより抜粋

  

もし始発のバスに乗車可能な場合…

以下は余談です。完全に自己責任でお願いしたいのですが…

私の高妻山往復のコースタイムは約8時間15分(一般的な周回コース使用)となりました。しかも、当日は暑さからの体調不良であったにもかかわらず、コースタイムを大きく巻くことができました。
コースタイムを巻けた要因として、標準コースタイムでは道中険しい急登が続くため、かなり余裕を持った時間を確保してあるようです。体力に自信があるのであれば、コースタイムの短縮については、そこまで悩まなくとも良いように感じました。

ただ、あくまで個人の所感となりますので、あしからず。

  

今回歩いたコースマップ

戸隠牧場を起点として、往路は一不動(いわゆる号目石のようなもの)から順に沢沿いのルートを使用。復路は弥勒新道(弥勒尾根)をたどって、再び戸隠牧場へと帰路につきました。

国土地理院地図を加工して修正
  • 累計標高差は約1500m
  • 総歩行距離は約12.5㎞
  • 標準コースタイム約9時間30分

ヤマップ・ヤマレコなどを拝見している限り、このコースを周回される方が多いという印象で、実際に歩いた感想としてもこの周回ルートをお勧めさせていただきます。

このルートであれば、
①一不動避難小屋から五地蔵山までの稜線で、飯綱山方面の景観を楽しみながら歩くことができる
スリップして特に危険な沢沿いのルートを下山時に回避できる
・・・というメリットがあります。

なお、コースマップについては、フリーハンドで作成しています。あくまで目安としていただき、実際の登山の際には、地図やGPSアプリの使用をお願いします。

戸隠神社奥社から戸隠山を経由して登るルートもありますが、難所である蟻の塔渡を越える必要性や歩行時間が大きく伸びることもあり、一般的なルートでは無いと判断し、説明は省略します。

また、上記のコースの詳細を知りたい場合は、別記事で登山の模様も記載しておりますので、宜しければご覧ください(*- -)(*_ _)ペコリ

  

高妻山の難易度について

道迷いという点では、沢沿いのコース、弥勒尾根コースともに踏み跡も明瞭で迷いそうな場所は特に無かった。というのが個人的な感想です。

ただ、登山道においては、危険地帯というほどではありませんが気を付けた方がよいと感じたポイントが2つあります。

一つ目が滑滝の脇を直登する部分と帯岩をトラバースする部分です。

左の写真の滑滝は豪快に流れる滝の脇を鎖を使って直登する難所となります。季節によるかもしれませんが、地面が湿っておりスリップの危険性もある場所です。慎重に確実に登っていきましょう。

右側の帯岩は滑滝のあとに現れる一枚岩のトラバース部分です。難易度は高いものではありませんが、先ほどの滑滝で靴底が濡れているようであれば要注意。うっかり足を滑らせることがあれば、切れ落ちた崖下へと滑落することになり、ただでは済まない場所です。特に慎重に行きましょう。

・・・

二つ目に気を付けた方が良いと感じたポイントは、九勢至からの急登と落石です。

九勢至からは文字通りの急登となっており、岩場のようなポイントも随所に現れます。体力的にも正念場と言えるポイントでしょう。

単なる急登であれば、わざわざこういうことを書くこともないのですが、わたくしの登山した日に、先行するパーティが何回か落石を発生させており危険だと感じたため、記載させていただくものです。

当日の私は幸いなことに、岩との衝突からはまぬがれたのですが、もし衝突していたら…。そう考えると少しゾッとしてしまった場所でした。浮いた岩が特別多いわけではありませんが、注意をした方が良いポイントです。

また、大抵の登山でいえることかもしれませんが、疲労による転倒や滑落が一番注意すべき点だと思っています。登頂後、疲れがたまったころで帰りの急坂で転倒…なんてことのないよう気を付けるべきでしょう。

上述のコースマップを歩いた場合の難易度となっています。個人の主観が混じりますので留意願います(*- -)(*_ _)ペコリ

  

高妻山登山口までのアクセス

高妻山の登山口については、

  1. 戸隠牧場を起点とした登山ルート
  2. 戸隠神社奥社から戸隠山を経由して登山するルート

…の2つとなります。

先にも触れていますが、2.の戸隠神社奥社から戸隠山を経由して登山する場合については、「蟻ノ塔渡り」、「剣の刃渡り」と呼ばれる難易度高めの岩場を通過する必要があります。コースタイムや歩行距離が大幅に増えることもあり、戸隠牧場を開始する前提でのアクセスをご紹介します。

なお、高妻山のアクセスに関しては、マイカーでのアクセスが断然便利となっています。

  

公共個通機関(バス・電車)でアクセスする場合

以下は公共交通機関でアクセスする場合の概略図です。

以下詳細です。

長野駅からアルピコ交通さんのバスに乗車して、戸隠キャンプ場まで向かいましょう。長野駅ではバスの乗り場が林立していますが、戸隠キャンプ場行きは長野駅善光寺口7番乗り場となります。

なお、2025年4月1日より観光特急戸隠線の運航が開始されたようです。

  • ご予約は、乗車日の1ヶ月前よりインターネットで受け付け(電話での予約不可)
  • 予約が無い場合でも空席があれば乗車は可能
  • 飯綱及び戸隠地域内のバス停は、戸隠行では降車専用、長野駅行では乗車専用
  • 観光特急便ではICカード(定期券含む)は利用不可
  • アルピコ交通長野駅前案内所の乗車券窓口でも発売

詳細については、アルピコ交通(観光特急戸隠線)のページでご確認をお願いします。

従来の路線バスも運行しているようですが、地域住民の方の使用を念頭に運行しているようです。終着点が戸隠神社中社(戸隠キャンプ場の手前)までとなっており、高妻山登山をする場合には不向きな便となっています。おとなしく、観光特急戸隠線を活用するのが良さそうです。

  

車でアクセスする場合

戸隠キャンプ場の前に高妻山登山者用の無料駐車場があるのでそちらの使用をお勧めします。

なお、道路幅的に路上駐車は不可能な場所です。シーズン中は早めの出発をお勧めします。

高妻山 登山者用無料駐車場
・住所:長野県長野市戸隠大洞沢3694
・台数:70台
・料金:無料

  

戸隠キャンプ場から登山口まで

ここからはバスの終点である戸隠キャンプ場、若しくは無料駐車場間までたどり着いた前提での解説となります。

➀まずは戸隠キャンプ場の受付の前を通過してキャンプ場内部へと歩いて行きましょう。

写真付きで案内はさせていただきますが、キャンプ場内を含めて、至る所に高妻山登山口までの案内板が設置されているので、その案内に従って歩いて行くだけでOKです。

②取り急ぎ橋を渡って場内へと進みましょう。キャンプ場から出入りする車もあるので気を付けて。

③キャンプ場のエリアを抜けて戸隠牧場のゲートも超えて進んでいきます。戸隠牧場のゲート前に登山届出を提出できる場所があるので、未提出の場合は記載していきましょう!

④牧場内にも案内板が設置されているので、案内に従って進んでいきます。牧場の端まで歩き、牧柵に至ってから右手に進んでいくと登山口となります。

ここでも案内板が設置されているので、見落とすことはないでしょう。右上の写真は一不動へ至る登山口ですが、もう少し右手に進むと弥勒尾根からの登山口もありますので、登山計画に合わせて使い分けをお願いします。

  

・・・

さて、登山口に到着したら、高妻山までの険しい道のりがあなたを待っています。

あなたと高妻山登山が充実したものとなることを祈っております!

それでは。

・・・

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