今回は日本百名山の一つである高妻山に登山してきました。標高は2,353mです。
高妻山は戸隠連邦の最高峰であり、キレイな三角錐の形でありながら、どっしりと威風堂々とした山容が特徴的で戸隠富士との異名も持つ山です。


また、古くから修験の山として知られ、信仰の対象とされてきた歴史もあり、登山道にはその名残と見られる遺構や地名が数多く残っています。
そんな高妻山ですが、戸隠山の一帯を戸隠表山と呼ばれることがあるのに対し、高妻山や道中通過する五地蔵山などの一帯は裏山と呼ばれることがあります。
また、登山をしない方の知名度としても、遥かに『戸隠』の方がネームバリューのある名称ではないでしょうか?近辺の施設を見てみても、戸隠神社・戸隠牧場・戸隠キャンプ場となっており、戸隠ブランド一色です。

それは仕方のない部分もあって、戸隠山については麓からでも険しい山容を容易に眺めることのできるのに対し、高妻山は戸隠連邦の奥にそびえる孤高の山岳となっており、麓からではその山容を拝むことはできません。
”エリアの最高峰であっても裏山的な扱いを受ける高妻山”
何が言いたいかというと、
日本百名山の中でも地味目な存在である高妻山の魅了を伝えたい!
…とそんな思いで今回の記事を執筆させていただきました。ご一読いただけますと幸いです。
なお、今回の記事については、文字数が膨大となってしまいました…。オススメのコース、難易度、アクセス、見どころなどについては、以下の記事をご参照いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
(登山日2024年7月10日)
高妻山はこんな山
- 日本百名山の一つ!
- 高妻山山頂からの眺望はかなり良し!
- 帰りは戸隠牧場でのんびり観光するのも良し!
- 標準コースタイムは約9時間30分。なかなかハードな登山道…。
- 車がなければアクセスは面倒な部類…。
・・・
上記の中でも、特に触れさせていただきたいのは、眺望についてです。登山を通して、各ポイントからの眺めがとにかく素晴らしかった!…というのが強く印象に残っています。
例を挙げると以下のとおり。
- 戸隠牧場からの戸隠連邦
- 同じく戸隠牧場からの黒姫山
- 道中の五地蔵山付近からの飯綱山
- 山頂からの妙高山・火打山の眺め


正直な話、私が長野を訪れる目的の大半は、北アルプスか八ヶ岳になりがちで、今回のように北信の方面に登山をしにくること自体あまり多くありません。

北信五岳と呼ばれる名峰が集うエリアであるはずなのですが、『そういえば、北信の山に来るのはいつぶりだっけ?』…となる始末で、今回のブログを執筆している最中に、その事実にようやく気付いたくらいでした。
しかし、高妻山の登山を通して北信の山並みを眺めていると『どの山の風体もカッコいいじゃねぇか…。』とつぶやいてしまうくらいには、とても魅力的な山々が点在していることを改めて再認識したのでした。

北アルプスや八ヶ岳のような、登山界の銀座一丁目のような場所ではないかもしれませんが、特徴的な山々が近くに集まっており、相互にその山容を眺められるというのは、自身にとって非常に印象に残る景色となりました。
王道からは逸れてしまうかもしれませんが、たまには、私のように北信五岳の景色を求めて、高妻山へと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?
今回歩いたコースマップ
戸隠牧場を起点として、往路は一不動(いわゆる号目石のようなもの)から順に沢沿いのルートを使用。
復路は弥勒新道(弥勒尾根)をたどって、再び戸隠牧場へと帰路につきました。

- 累計標高差は約1500m
- 総歩行距離は約12.5㎞
- 一般的な周回コース(※)で標準コースタイム約9時間30分
(※)往路:沢沿いのコース、復路:弥勒尾根コース
(※)最短の弥勒尾根ピストンでも標準コースタイムは約8時間50分
ヤマップ・ヤマレコなどを拝見している限り、このコースを周回される方が多いという印象で、実際に歩いた感想としてもこの周回ルートをお勧めさせていただきます。
このルートであれば、
①一不動避難小屋から五地蔵山までの稜線で、飯綱山方面の景観を楽しみながら歩くことができる
②スリップして特に危険な沢沿いのルートを下山時に回避できる
・・・というメリットがあります。
なお、コースマップについては、フリーハンドで作成しています。あくまで目安としていただき、実際の登山の際には、地図やGPSアプリの使用をお願いします。
コースタイム
上述のコースマップの通りに歩いて、約8時間15分となりました。
普段であればタイムラインもご紹介しているのですが、今回は登りは快調だったにもかかわらず、下山時は体調不良を引き起こし、歪なコースタイムとなってしまいました。
あまり参考にはならないと思われ、むしろ誤解を招く可能性があることから、紹介は割愛とさせていただきます。
・・・
以下からは、実際に私が高妻山を登山した時の模様となっております。併せてご覧いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
なお、繰り返しになり恐縮ですが、魅力的な部分の詳細・アクセス・難易度(注意すべき場所の詳細)については、【高妻山】おすすめルート・コースマップ・登山難易度・アクセスなどをご紹介!【解説記事】でまとめております。
【高妻山DAY1】戸隠キャンプ場までのアクセス編
東京から長野まで鈍行でアクセスするのはさすがに無理があると思うんだ。


普段は『登山で新幹線の使用はやりすぎか…。』と、心のブレーキがかかっているわたくしですが、長野まで行くとなると話は別です。高妻山に行くと決めたからには、多少の出費を覚悟で新幹線へと乗り込みます。
職場のある東京を離れえるときは、いつだって気持ちが開放的になります。清々すると言い換えても良いくらい。

ヒャッハー!俺は自由だぁー!
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・・
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…まぁ、何故、こんなにも浮かれているのかと言うと、2024年の5・6・7月という時期は仕事が暗礁に乗り上げ、非常に激務だったから…というのが理由となります。

職種は伏せさせていただきますが、私の勤める会社は毎年3月下旬~7月上旬といのは繁忙期に当たる季節でして…。それにプラスしてよくわからん新規プロジェクトチームの立ち上げなど社内は意味の分からんくらいの多忙な状況となっておりました…。仕事を受注するならもっと現場のことも考えろ!

嵐のような5・6月が過ぎ去り、やっと少し落ち着きを取り戻した7月上旬。ようやく山に登れる余裕も生まれたので、こうして旅に出たという経緯があります。
登山に出かけるのは友人と霧ヶ峰へと出かけた5月上旬ぶりとなり、半分リハビリも兼ねての登山となります。
果たして高妻山はリハビリ向きか?と言われると疑問符が付くところですが、取り敢えす標高が高くて人の少ない静かな場所に行きたいという思いもあり、半分テキトーに高妻山へと標準を絞った次第です。
・・・
さて、そんな愚痴は置いておいて、つつがなく長野駅に到着でございます。

新幹線に乗るとアッという間の到着です。車内では爆睡でスマホのアラームをかけておいて本当に良かった…。
長野と言えば蕎麦!…という思いが自分の中にあって、取り急ぎ駆け付け一杯の感覚で駅そばへと立ち寄っていきます。


正直、東京で食う蕎麦との違いは良くわかりませんでしたが、『旅に出たんだ!』という旅情にひたれるだけでここはOK。
別記事で解説させていただいた通りですが、高妻山はマイカー無しでは日帰りは困難な山となっているので、今日は戸隠キャンプ場でソロキャン△と勤しむ所存。そのため、日程もゆるめです。
・・・
蕎麦で満足したところで、長野駅の善光寺口から出てお目当てのバスへと乗り込みます。戸隠キャンプ場行は7番乗り場からの就航となっています。


観光路線と言うこともあって、バス停の前には長蛇の列が出来上がっていました。乗れるか不安ではありましたが、アルピコ交通さんが増発便を出してくださったおかげで、無事座席にありつくことができました。
本日は生憎の雨模様となっていますが、心配はご無用。

登山当日は7月上旬で、この年では未だ梅雨明けの宣言がなされていない頃でした。しかし、あのヤマテンさんが『午後にかけて徐々に天候が回復する。』と言っているのだから心配はしていません。
・・・
つつがなく戸隠キャンプ場へと到着です。



事前にインターネットサイトで予約登録と支払いを済ませていたので、チェックイン手続きは拍子抜けするくらい簡単に終わってしまいました。事前に送付されてきたQRコードをかざすだけ~。
受付を済ませ、テント場の説明を受けたのち、場内のフリーサイトへと向かって急ぎ向かいます。

まだこの頃は雨が降りしきっており、少し憂鬱な時間。当時は気付かなかったけど、ホント目に痛いくらい鮮やかな緑だな…。
手早く場所取りとテントの設営を行い、雨が降り止むまでまったりとした時間を過ごしていました。


これが我が城か…。悪くないではないか。
直感的に樹木の傍のサイトをチョイスしていますが、これにメリットがあるかどうかは不明です。こういうキャンプサイトを使用するのは初めてなもので…。
・・・
今は雲に隠れてしまっていますが、眼前に戸隠山を場がめることのできる一等地を確保したつもりです。ここで明日のためにも、英気を養うとしましょうか。
なお、本日はこの後、近場の瑪瑙山(飯綱山の中継地点)への登山と隣の戸隠牧場の散策に充てているのですが、余計な部分でブログの尺が長くなりすぎるので、別記事でご紹介をさせていただきます。
気になる方は、是非、どうぞ(*- -)(*_ _)ペコリ
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【高妻山DAY2】戸隠牧場から登山開始!
そういうわけで、戸隠キャンプ場からおはようございます!
ここからが、ようやく迎えた登山日当日の模様でございます。

改めて、戸隠キャンプ場は良いフィールドだなと思いました。
ロケーションもそうなのですが、イベントもあちこちで開催されており、天体観測や夜行性の昆虫観察などなど、子供を連れてくると大満足間違いなしの場所ではなかろうか。
昨日は雲に隠れる時間の多かった戸隠山方面も今日はバッチリと快晴のようで、期待が高まります。
速やかにテントを撤収して、登山口へと参ります。
・・・
戸隠牧場のゲートを超えて、のんびりと歩いて参ります。



寺は朝。とはよく言われるものですが、牧場も朝が良い!…そんなことを考えながら歩いておりました。
キャンプ場から10分ほど歩いて、高妻山への登山口へと到着です。

そういうわけで、やっと登山開始でございます。

戸隠牧場から登り始めて冒頭は朝霧が立ち込めており、非常に幻想的だったのを今でも覚えています。幸先の良いスタートを切れてルンルン気分だったのですが、終盤になるにつれて地獄を見るとはこの時は知る由もない…。
・・・
登山開始の冒頭はそこまで傾斜はきつくないのですが徐々に傾斜はきつくなってきます。そして、いくつかの沢を渡っていく必要があります。

おそらく”おおぼらさわ”と言う読むのでしょうが詳細は不明。『数か所沢を渡る。』とある通りで、しばらくは沢のふちを歩きながらの登山となります。
沢沿いを歩くということで、さぞ爽やかな登山なんだろう…。

…ということはなく、この日は蒸し暑くて仕方がなかった。
登山道のある戸隠牧場とキャンプ場の標高は約1200mとなっており、高原地帯と言って差し付かえない場所だと思うんですけどね…。高妻山の登山に関しては涼しい時期をお勧めしたいと本気で感じた瞬間でした。
徐々に徐々に傾斜もきつくなってきます。岩場の急登と言って差し支えないレベルかと。

蒸し暑さもそうだったのですが、①沢を何度か渡渉する➡②靴が濡れる➡③岩場でスリップしそうになる。
…というコンボが発生し、なかなか気の抜けない登山道という印象。
当日の私のメモでは『周りは樹木で覆われており、正直、なんの面白味もない登山道。滑るの怖いし。』と記録がなされていました。

目指す一不動の避難小屋があると思われる尾根は、まだはるか先に位置しているのがわかり、軽く絶望した瞬間だったりもします。
こうして滝のようになっている沢を眺めながら歩くと、『辛い登りも幾分かは楽になる。』…とはならないのが、この高妻山を実際に歩いた感想です。

・・・
悪態をつきながらも、黙々と登っていくと現れるのが滑滝というポイントです。ここからは歩くうえで注意を要するポイントが連続します。

まず、こちらの滑滝では傾斜が急な一枚岩を鎖を掴んで直登することとなります。そして、ここまでの登山道で靴底が濡れているのをお忘れなく!
ツルっ!…といってしまわないように細心の注意を払って登っていきましょう。
鎖場を登り終えて振り返った際の写真がこちら。

うまく伝わるかは微妙なところですが、高度感はわかっていただけるでしょうか?
ただ、確かに傾斜は急ではあるのですが、そこまで難易度は高いものではありません。落ち着いて進めば大丈夫。
・・・
滑滝を超えてからも辛い道のりは続きます。

沢沿いというよりか、半分以上は沢の中を歩きながらの急登です。しつこいようですが、滑らないよう注意は必要。
そんな急登を少し進んでいくと現れるのが帯岩というポイントです。

下の写真は帯岩の下部から撮影したモノですが、巨大な一枚岩をトラバースして進むこととなります。

足の踏み場はキチンとあるので、滑滝と同様に難易度は高くないのですが、足を滑らせてしまうと、かなりの落差を滑落することとなり、ただでは済まないポイントです。

今回の高妻山登山において一番危険なポイントとなりますので、くれぐれも慎重に(*- -)(*_ _)ペコリ
・・・
さて、そんな難所を抜けても、なお急登が続いていくのが高妻山の辛いところ…。



滑滝ほどではないにしても、高低差のある鎖場や湿った岩場の急登が延々と続きます。
・・・
そんな急登を登り続けると現れるのが、本コース唯一の水場である氷清水です。

筒からはコンコンと水が流れ出ており、枯れる心配は無さそうに見えました。この日はとにかく蒸し暑くて、ここで水分を補給できるのは非常にありがたかった。
ここまでくると、中継地点の一不動避難小屋までは、あと少しのポイントです。もうひと踏ん張り頑張っていきましょう!
尾根上へと到達! 一不動避難小屋の様子
さて、氷清水から、引き続きの急登を登り切ると尾根上に出ます。避難小屋が見えてくるとまずは一不動に到着となります。

ここでようやく一合目かよ…。という感想を抱いた人間は私だけではないはず。
ベンチもあるので、ここで一旦、小休止とさせていただきました。

天候が良ければ良い眺めだったのでしょうが、生憎の曇り模様のため、水墨画のような景観が広がっています。
なお、この一不動は戸隠山への分岐となっている場所です。戸隠山へと向かう場合は、ここからさき、悪名高い蟻の塔渡りなどを超えていくこととなります。

実は昨日の前泊までの時間を利用して、踏破しようというプランもあったのですが、戸隠山を歩いた翌日に高妻山に挑戦するとなると、さすがに体が壊れかねないとの懸念があったので、辞めにしておいたという経緯があります。
ただ、一度も戸隠山には登ったことはないので、どこかで一度は挑戦してみたいという思いはあるので、日を改めて訪れることとしましょうか…。その際には、もう一度、戸隠キャンプ場にお世話になろうかしら。
一不動~五地蔵山~九勢至までの稜線歩き
そういうわけで、引き続き一不動から登山再開です。

これらの石像は、いわゆる号目石の役割を果たしているのかと思いきや、小ピーク毎に設置がされているようで、間隔はバラバラだったりもします。
アッという間に三文殊と四普賢を通過していきます。


ここで、そういえばここでニッコウキスゲの季節だなぁ~ということを思い出しました。晴れそうで晴れない空模様にちょっとヤキモキしつつも、癒された瞬間

なお、ニッコウキスゲに関しては、チラホラ咲いている程度で、群生を目当てに来る場所ではありませんので念のため。
・・・
淡々と歩いているようにも見えますが、一不動から五地蔵山までの稜線については展望が開けてなかなか爽快な気分で歩くことのできる場所です。

もしかしたら、今回の登山のハイライトと言える稜線かもしれません。
特に飯綱山方面の景観は特に感動した眺めでした。

むしろ『こんな辛い高妻山なんか辞めて、飯綱山に行けば良かったかな。』と思うくらいカッコ良い姿が眼前に現れます。
・・・
さて、そんな冗談はさておいて、若干、急な登り返しを終えると五地蔵山に到着となります。

正直、一不動からここまではラクチンな登山道だったなという印象。
五地蔵山からは、ここまでの稜線と同様、飯綱山方面の展望は素晴らしい場所なので、ここで休憩とするのも良いかもしれません。
ただ、私が到着した際には分厚い雲で覆われてしまいましたがね( _´ω`)_ペショ

いちおうのこと、『午後に近づくにつれて晴れ間が見える。』とあのヤマテン様が仰られるので、それを信じて登っていくことにします…。
・・・
この五地蔵山については、今回のコース上では、高妻山以外で踏む唯一のピークと言うことで、せめてもの慰めとして記念の自撮りを敢行します。

こういう写真は意地でも使っていく所存です(*- -)(*_ _)ペコリ
さて、景観には期待できないことを悟りつつ、五地蔵山からも淡々と歩みを進めてまいります。


六弥勒と七薬師を軽々と突破していきます。
五地蔵山からも展望が開け、雄大な景観であっただろう尾根上を進んでいきます。…が、正直、雲が多くて良くわかりませんでした…。

しかし、その反面、いつもより快調なペースで歩けていることに気が付きます。『頑張れば日帰り登山もやれたかなぁ~』とも思いつつ。
まぁ、毎回、毎回、飽きるほど景色を眺めて写真ばかり撮っていたら、ペースなんて上がるはずもないんですけどね。
…とは言え、弾丸登山をするのも、自分の趣向には合わないなぁ~なんてことを考えながらひたすら足を前へ前へと動かしていきました。いろいろ思索に耽りながら歩きましたが、少なくとも挑戦と位置付けた山行以外は、自分のペースでその日の気分に合わせて歩きたいように歩くのが最良という結論になったのでした。
・・・
さて、つまらないことを考えつつ八観音を通過。相変わらず尾根上はガスっています。


ここまでは登り基調の尾根であることに間違いは無いのですが、一不動の登りに比べると格段に歩きやすく、そりゃ考え事も捗るわけだと合点がいきます。
ここまでに至るあいだ、ガスの切れ間からは戸隠連邦の全容を眺めることができて、若干ですが、報われた気がしました。

『このまま高妻山の山頂まで歩き切ってしまいましょうか♪』…と余裕をかましていたのですが、本当に辛いのはここからだということを私はまだ知らない…。
九至勢からの最後の急登へ…
さて、九至勢に到着。尾根にこびりついていた雲は取れつつありますが、高妻山は依然として雲の中にあるようです。

実はこの高妻山には、ちょうど10年前に一度訪れたことのある場所でして、久しぶりのご対面となりました。
まぁ、当時はピークを踏むことしか考えていなかったので、ほぼ記憶にないんですけどね…。
この九至勢から山頂までの標高差は300mとなっており、東京タワーを1回登るくらいの高度を稼ぐ必要がございます。コースタイムにして約1時間。10年前の私であれば、体力の最盛期だったわけですが、今の私にはどうだろうか…。

対戦。どうぞよろしくお願いします!
・・・
そういうわけで、最後の戦いの火ぶたが切って落とされます。

登山道については、冒頭は笹原の中の急登を登っていくのですが、徐々に険しい岩場の急登へと移り変わっていきます。
しかし、なんだかこうしてブログを書きながら写真を見返しているとあの世への階段のようにも見えてくる…。
さて、下の看板が見えてきたら、辛い岩場の始まりとなります。

下山時の滑落事故について注意喚起がなされていますが、浮いた岩も点在しており、落石を落とさないように(若しくは上からの落石に)注意が必要なポイントです。

そんなことは、どこの山でも同じことだろうと思われるかもしれません。
しかし、実体験として、ちょうど下の写真のポイントで先行者のグループが顔面大の大きさの落石を引き起こし、あわや大惨事と言う目に遭っているんですよね…。

幸いにも、岩は私の体のすぐ脇を転がり落ちていき、衝突することはなかったのですが、もろに直撃を食らっていたら本当にあの世へと旅立つところだったかもしれません。

今日と言う日で一番肝を冷やした箇所であったので、念のため記録として残しておこうと思った次第ですが、改めて、登山と言うのは危険と隣り合わせの趣味であるということを思い知った瞬間となったのでした…。
この九勢至からの急登は疲れもピークに達する頃合いです。山頂まではもうすぐなので、だからこそ、最後まで気を抜かずに行きましょう!
・・・
さて、そんな事件がありつつも着々と山頂へと向かうのですが、困難を乗り超えたご褒美か?急速に尾根上の雲が晴れていき、青空が広がりつつありました。

久しぶりに気分も明るくなった瞬間。やっぱり山は晴れが一番だよな!
辛い急登を登り切ると尾根上に出ます。高妻山の山頂部分は細長い形状をしており、奥まった個所に最高地点があるので、もうひと踏ん張りが必要なポイントです。

十阿弥陀の銅鏡が見えてきたら、本当にあと少し。

アスレチックな岩場を通り抜けると、山頂になります。

ここまでお疲れさまでした。そして当日の私も本当にお疲れさまでした。
ついに登頂! 高妻山山頂の様子
そういうわけで、いろいろ辛い目にも遭いましたが、ようやく高妻山の山頂に登頂しました。標高は2353m。

戸隠牧場の登山道からは、概ね4時間での到着となりました。
青空は見えているものの、雲が多くて快晴とまではいかなかったのは少し残念ですが、この時は充実感に溢れかえっていたのをよ~く覚えています。
さて、山頂碑前の自撮りも済ませて、早速、山頂の景観を楽しみましょうか。
まずは北アルプスの方面となります。

分厚い雲に覆われており何が何だかサッパリです。まぁ、見えていても良くわからないんですけどね…。
こちらの展望は諦めた…。
ただ、妙高山・火打山方面の眺めはなかなかのものでした。


目の前にドーンとそびえているのは乙妻山です。そして雲がかかってしまっていますが、右奥には妙高山や火打山が確認できます。この景色を見れただけでも今日は満足だったかな。
破線ルート扱いにはなっていますが、乙妻山まではピストン登山が可能となっています。しかし、今日の自分にはそんなことを実行する元気も湧いてこない…。
山頂には様々な色の花がちょこんと咲いており、そちらも印象的でした。


ただし、名前については全く不明です。
一応、同定を試みたのですが、似たような花が多すぎて全く歯が立ちませんでした…。植物を写真で撮ると名前を自動で判定してくれるアプリもあるようなので、次回以降にでも試してみようかなと。
・・・
さて、山頂のレポートはこの辺にして下山へと移ることとします。
実は登っている最中は非常に調子が良いと思っていたのですが、山頂付近で急に太陽の光が射し始めると、気候の急な変化からか、体の震えが止まらなくなるという異常事態に見舞われ、早急に下山したという経緯があったりします…。

2か月間の登山ブランクがあった中での高妻山登山ということで、体もビックリしてしまったようです。
皆様も現時点での体力レベルと必要な登山強度を見誤ることの無いようお気を付けください(*- -)(*_ _)ペコリ
なお、帰りについては沢沿いのコースではなく、弥勒尾根からの弥勒新道をつたって下山しました。こちらの下山ルートからは飯綱山の眺望が最高なルートであったことを付記しておきます。

雲が邪魔していますが、感動に値する景観でした…。
また、弥勒新道のほうもかなりの急登ではあるのですが、渡渉や危険個所がない分、難易度的にもコースタイム的にも簡単であると感じました。公共交通機関で、日帰りでのピストンを検討されているのであれば、弥勒新道の往復を検討されるのが良いと思います。
高妻山の登山を終えて
高妻山登山は辛かった…。
登山を終えたときの感想はこれでした。
ブランクがあったとはいえ、その道のりは想像以上に過酷なもので、いくつかのアクシデントも重なってしまい、余計に辛い部分が印象に残る登山になった気がします。
しかし、それらの困難を乗り越えたあとの充実感は最近味わったことのないくらいのものでもありました。

下山後に購入したコーラの味は、いままで飲んだコーラの中でも最上位の美味しさでした。
そして、この登山を敢行したのは7月10日ということで、まさに夏を迎えたばかりの時期であったと記憶しています。帰りに戸隠牧場を歩いていると、『これほど夏を感じた日はいままであっただろうか?』と当時のメモには書き記してありました。

今年も時間と体力が許す限り、夏山をたくさん登りたい!
…というのが本心だったのですが、2024年は仕事の繁忙や個人的に人生の岐路に立たされる選択を迫られた時期でありました。ここでそれには触れませんが、そんな理由もあって、夏山へ訪れる機会が大きく減った年でもありました。

そんな多忙な時期にも関わらず、時間をとって高妻山へ訪れたことに後悔ありませんし、辛い登山にはなりましたが、今となっては良い思い出の一部になっているというのが本心です。
この日、この山に登って本当に良かった。
そういうわけで・・・
高妻山様。対戦ありがとうございました!

・・・
さて、ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。
これからも、このような形式で試行錯誤をしながらブログを更新していきたいと考えています。皆様におかれましては、たまにで良いので当ブログを覗いていただけますとこれほど嬉しいことはございません。
あなたの次回の登山で、辛い登りの後に感動的な景色と出会えますように!
それでは。
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