【沼津アルプス縦走(登山ルポ)】ご当地アルプス先駆け!アップダウンの激しい低山を行く旅【難易度・アクセス・コースマップ】

登山記事

こちらの記事では『沼津アルプス』のルートマップ・魅力的なところ・難易度・コースタイム・アクセス・登山の模様等を写真多めで解説しています。

今回は沼津アルプスを縦走して参りました。最高峰は鷲頭山で標高約392mとなっています。

いまでこそ市民権を得ている全国各地のご当地アルプスですが、その先駆け的な存在として知られており、1980年ごろに地元・沼津の山岳会によって命名されたものとされています。

個人的にご当地アルプスと聞けば、のどかな里山をのんびりと縦走することを思い浮かべるのですが、こちらの沼津アルプスはピリッと辛口の縦走路となっており、私が辿ったルートの場合では、総距離は11㎞、累計標高差は1,000mオーバーとそこそこ骨ある縦走となりました。

…とはいえ、アルプス中にはエスケープルートも無数に用意されており、分割して歩いたり、景観の良い箇所だけをいいとこどりすることも可能だったりします。

香貫山展望台からの沼津市街と富士山

ガッツリ歩きたいなら縦走で。軽く歩きたいなら遠望のよい場所をピックアップして。つまみ食いが可能な縦走路となっています。

以下からは、そんな沼津アルプスの縦走ルートについてご紹介させていただきます。お付き合いいただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ

(登山日2025年1月11日)

沼津アルプスはこんな山

  1. 全国ご当地アルプスの先駆け的存在!
  2. 志下山辺りから見晴場までは海を眺めながらの開放的なハイク!
  3. 香貫山の展望台からは富士山と歩いてきた沼津アルプスが一望できる絶景ポイント!
  4. 他のご当地アルプスと比較して累計標高差は大きめ…。
  5. ただし、ルートの取り方を工夫すれば、体力度にあわせた登山が可能!

特に香貫山のそばにある展望台からの眺めは圧巻です。富士山の眺めも素晴らしいのですが、苦労して歩いてきた沼津アルプスの山並みを一望することができます。沼津アルプスを歩いたのであれば、是非、立ち寄っていただきたい場所です。

香貫山の展望台から眺める沼津アルプス全景

また、志下峠~徳倉山間はアップダウンも少なめで、海を見ながらのんびりと歩くことが出来るポイントです。個人的にはこの区間を歩いているときが、日頃のストレスから解き放たれた感じがして、一番気持ちの良い山歩きが出来たポイントでした。

志下坂峠~徳倉山間にある見晴場からの展望

この2つのポイントと歩きごたえのある縦走路が、沼津アルプスを歩くことの醍醐味であると個人的には感じています。

なお、今回の記事については、文字数が膨大となってしまいました…。詳細なルート、オススメのコース、難易度、アクセス、見どころなどについては、以下の記事をご参照いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ

  

今回歩いたコースについて

沼津駅からバスに乗車して多比バス停へ。大平山の登頂から始まって、所謂、表沼津アルプスを縦走して参りました。7山7峠を踏破するなかなか骨太なコースで、下山後は黒瀬バス停へ下山。ちょうど良いバスがあったので、そちらで沼津駅まで帰ってきました。

国土地理院地図を加工して作成

なお、コースマップについては、フリーハンドで作成しています。あくまで目安としていただき、実際の登山の際には、地図やGPSアプリの使用をお願いします。

コースの取り方にもよりますが、『のんびりと里山をハイク♪』…なんて考えているとちょっと痛い目に合うかもしれません…。

大平山から大嵐山、原木駅方面(東側)に伸びる尾根は、通称『奥沼津アルプス』と言われている山域で、こちらは表と比べて多少歩きにくい登山道が続くようです。今回の山行では見送った場所なので、解説の対象外としております(*- -)(*_ _)ペコリ

  

コースタイム(多比バス停~香貫山~沼津駅)

標準コースタイムは約6時間30分です。実際に私が歩いたコースタイムと経過は以下の通り。道中の見晴場と香貫山からの眺めに感動し、かなり時間を割いて休憩時間にあてています。他の個所でも写真を撮りながらのんびりと歩いていますので、あくまで目安としてください。

・08:40 多比バス停
・09:15 大平山
・10:10 鷲頭山
・11:15 志下山
・12:50 横山
・13:45 香貫山(90分ほど大休止)
・15:30 黒瀬バス停

さて、少々、長くなりましたが以下からが私が実際に歩いた時の登山の模様となります。こちらもご覧いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ

  

【ここから登山の模様】多比バス停~登山口までの模様

今回の旅の玄関口は沼津駅。

普段は東京で仕事をしている身からすると、縁もゆかりもない土地であります。そして、今回はじめて沼津という町に踏み入れた瞬間に、軽くカルチャーショックを受けたのは今でも印象に残っています。

一体、何にそこまで衝撃を受けたのかと言いますと・・・

  

どこにいってもラブライブ一色であるということです。

アニメの聖地で町おこしと言うのは良く聞く話ではありますが、ここまで振り切っている自治体は初めてお目にかかりました。

ここでは紹介しきれていませんが、ラッピングバス、お土産、看板などの至る所が全てラブライブという状況です。こういうアニメで地域を盛り上げる!というのは個人的には肯定派で、『地域が盛り上がるならいいじゃん!』と思っているのですが、ここまでくると周辺住民の方々はどういう感情なんだろうかと気になってしまうところです…。

ちなみに、ラブライブンのメンバーで一番可愛い(*´ω`*)…と思ったのはこの子です。

なお、活発そうな女の子が好きだったりします。どうでも良いいですか?そうですか。そうですか。

・・・

さて、大幅に登山に関係の無い所で尺をとってしまいましたが、登山口までの話題に話を戻します。

まず多比登山口まではバスに乗車して移動します。乗車するバスは3番乗り場から西浦・伊豆長岡駅方面若しくは多比方面のバスに乗り込みましょう。

バスについては、概ね1時間に2本~3本の割合で運行しているようで、そこまでバスの時刻表に気を遣う必要はなさそうです。

バス乗り場の案内板をよ~く見てみると多比(沼津アルプス起終点)と明記されており、いかに地元に根付いている山域であるかが伺い知れる瞬間だったりします。いままで何か所か、ご当地アルプスを名乗る尾根を縦走してきましたが、ここまで市民権を得ている場所は無かったかな…。

・・・

沼津駅から出発したバスは沼津の海沿いを通ってグングンと南下していきます。

ちなみに、本日登山を決行したのは1月の成人の日となっております。夏ごろに来ると爽やかな海風が気持ち良いのでしょうが、いまの季節は考えただけでも寒気がする光景です…。

バスに揺られること約30分。つつがなく多比バス停に到着~。

私以外にも4組のパーティが下車されていました。言うまでもなく彼らも沼津アルプスの縦走を目指している方々でしょう。こういう時に、勝手に謎の連帯感を感じてしまうのは私だけでしょうか?

ここからは多比登山口までの模様をダイジェストでご紹介~。

さて、まずバス停に到着したら道路に背を向けて住宅街の方面へと入っていきます。『精肉・惣菜マルイチストアー』が目印です。こちのお店の前を通過していきます。

すぐにゴミ捨て場のある三叉路に行き当たるのですが、こちらには道標が設置されているのでそちらに従って山の方へと進んでいきましょう。

案内に沿って進んでいくと防災倉庫の前で分岐。どちらに進んでもすぐに合流しますが、左手に進むと簡易トイレあり。こちらが沼津アルプス前の最終トイレとなります。

あとは定期的に現れる案内板の指示に従って登って行けば登山口に到着です。ここまではアスファルトの舗装道を進んでいきますが、意外と傾斜が厳しいのでちょっと疲れるポイントです…。

手作り感満載の看板が現れると登山口に到着で、登山開始の合図となります。張り切っていきましょー。

正直な話をすると、登山道までの道のりで、若干息が上がってしまいました…。

・・・

さて、いきなり先行きが怪しいスタートとなりましたが、それだけ標高差は稼いでいるということなので、サクッと一座目の大平山へと向かいましょうか。

冒頭は引き続き登り基調の登山道となります。ただ、どちかというと舗装されていた道路の方が斜度が厳しかった気が…。

登山口から多比峠までは約20分のコースタイムとなります。道中は特段見どころは無かったので省略~。

多比峠へ到着すると沼津アルプスの主稜線上に到達したこととなります。

さて、ここで一旦、選択肢。

このまま沼津アルプスを縦走する場合は、大平山と反対方面の鷲頭山方面へと進むのが正解です。しかし、表沼津アルプスの終起点は大平山になるようなので、『沼津アルプスをきちんと縦走しました!』と高らかに宣言したい場合は、一旦、順路とは逆方向の大平山へと向かうこととなります。

私はというと、生粋のピークハンターであることを自覚しているので、当然、大平山へと向かうこととしました。多比峠から大平山までは、ものの5分ほどのコースタイムとなります。

・・・

ものの5分ほどのコースタイムですが、斜度はきつめです。急登と言って差し支えないレベル…。

ただ、長くは続きませんので一気に登り切ってしまいましょう!

登山道が平坦になってくると大平山はすぐそこです。一旦、お疲れ様までした。

  

沼津アルプスの終起点 大平山に到着!

さて、まずは沼津アルプスの1座目である大平山に到着です。時刻は9時15分。バス停からのコースタイムは35分となりました。

標高は356m。大平山という名称の通り、山頂は平べったく広場状になっていました。

今までいくつかの大平山を冠する山を登頂してきましたが、山頂が大きく平べったい形をしているから大平山と命名されているのだろうか…。

山頂には落ち葉堆積しており、座って休むには不向きな場所かもしれません。山頂には小さなベンチが一基だけ設置されていましたので、軽くこちらで栄養補給~。

記念すべき1座目の山頂ではありますが、残念ながら展望はありません。縦走の途中で好展望のポイントがいくつか控えているので、ここでは焦らないこと。

前述のとおりですが、大平山は沼津アルプスの起点となる山でもあり、終点でもある山ですが、実は西方面へともう少し尾根道が続いています。

大平山➡大嵐山➡原木駅方面へと進む尾根道は通称『奥沼津アルプス』と呼ばれているようで、なんとも香ばしいお名前です。当初の計画では『奥』も含めて縦走してやろうかと思っていたのですが、初めての山域と言うこともあったので、今回は表のみとしておいた経緯があったりします。

いつかは奥沼津も含めた縦走をやり遂げたいと考えているのですが、果たして何年先のことになることやら…。

あと、山頂には三角点も設置されているので優しくタッチしておきましょう。恒例の儀式を忘れることはできません。

三角点も見つけたので次に進もうかな~とも思ったのですが、最後に山頂の看板の裏手にも注目していただきたい!

『沼津アルプス命名開拓 1980年5月』とされています。こんな昔から沼津アルプスの名称が存在していたのであれば、『元祖ご当地アルプス』を名乗っても間違いではないでは?と思ったり。

地元の山に対する歴史と愛を感じた瞬間でした。『自分の地元にもこんな場所があったなら…。』と、非常に羨ましく感じてしまいました。

  

大平山~沼津アルプス最高峰の鷲頭山まで

さて、縦走へと戻ります。なんせ、まだ1座目に登頂したばかりです。あと6座も登るということが未だに信じられない…。

多比口峠まで戻って2座目の鷲頭山へと向かっていきます。

少々、紛らわしいのですが、多比口峠からはまずは多比峠へと尾根道を進んでいきます。

多比口峠を出発すると早速、お次の鷲頭山が姿を現します。

ちなみに登山者必読の書『山と渓谷』の2024年11月号では日本百低山特集が組まれていたのですが、沼津アルプスのランドマーク的な存在として、鷲頭山が紹介されていました。

密かに自分が選定した『●●百名山!』という企画をやってみたいという野望があるのですが、どういう選定基準とするか決まらぬまま日々を過ごしている今日この頃です…。

・・・

登山へと話を戻します。鷲頭山までは痩せ尾根を辿ってしばらくはアップダウンの繰り返しとなります。今思い返してみると鷲頭山頂までの登りと山頂からの下りが一番歩きにくい場所だったかもしれません…。

一応のこと鎖場(ロープ場)も出てくるのですが、そこまで難易度の高いものではありませんでした。

道中では視界に富士山を眺めるポイントあり。ただ、後々、展望ポイントはあるのでここで欲張る必要は無いかなと。

多比峠に到着~。

一応ここから原木駅・大仁駅方面へと下山することも可能です。こうして、峠ごとにエスケープルートが整備されているところが沼津アルプスの安心できるポイントであったりもします。

さて、鷲頭山まで登り返しとなりますが、この時はまだ元気だったため、あまり辛いという印象は無し。コースタイムは15分ほどなのでサクッと登り切ってしまいましょう!

  

鷲頭山・小鷲頭山 山頂の様子

鷲頭山の山頂に到着です。沼津アルプスの最高峰で標高は392mとなります。

時刻は10時10分で大平山からは40分ちょっとでの到着となりました。

大平山と同様にこちらも広場状の山頂となっています。

樹木が生い茂っており、展望はお預けかと思いきや…。一か所だけ樹木の開けたポイントがあるので展望は効きます。

ただ、ちょっと進むと小鷲頭山があり、そちらからは南アルプスと富士山も眺められるポイントなので、休憩するのであればも少し進んでも良いかもしれません。

山頂には小さな祠が一つ。

お供え物がまだ新しくきちんと手入れがなされているのでしょうね…。ほっこりした気持ちになったのを今でも覚えています。

鷲頭山の山頂では、団体様が賑やかに軽食を取られていたので、邪魔にならないよう自撮りを一枚パシャリして先に進むこととしました。

3分ほど移動・・・。

さて、小鷲頭山に到着です。

小鷲頭山についても樹木が山頂を覆っておりお世辞にも展望が良いとは言えないピークなのですが、こちらも海側の樹木が取り払われており、景観を楽しむことのできるポイントです。

沼津の港キレイに見渡せるポイントで、奥に冠雪しているのが南アルプスの山々となっています。

…が、そもそも山座同定を苦手としているので、ここまで離れているとどれがどの山なのかはさっぱりわかりませんでした…。そういえば、昨年は南アルプスに一度も訪れることは無かったので、『今年こそは!』というモチベーションにはなったかなと。

なお、同じポイントからも少し場所をずらすと富士山まで眺めることも出来ます。

ただ、ちょっと樹木が邪魔してますね…。最後まで雲がかからないと良いのですが(なお、これはフラグです…。)

山頂では他のパーティの方に1枚写真をお願いさせていただきました。

『逆光でよくわからない写真になっちゃいました。ごめんなさい…。』と言われてしまいました。

これは光の差す方向などで仕方ない部分です。その後、若干気まずくなりましたが、この時間、この場面で写真をお願いした自分の方に落ち度がございます。その際には申し訳ございませんでした(*- -)(*_ _)ペコリ

・・・

謝罪も終えたところで、完全に余談ですが、山頂では最近ハマっているファミリーマートの『海鮮スティック 博多明太マヨネーズ味』で栄養補給としました。

要すればかにかまなのですが、全然パサパサ感がなく、みずみずしい食感でスルッと食せる一品です。タンパク質も7.5%となっており、登山の行動食の味変要員としては最適だと思っています。1本180円となっており、騙されたと思って一回食べてみてほしい!

・・・

さて、山頂も堪能したところで次に進むこととしましょうか。距離的には3分の1にも達していないので…。

  

鷲頭山からの急坂を駆け下り風光明媚な尾根を歩いて徳倉山まで

小鷲頭山からは、まずは志下峠へとひたすら下っていきます。本当にびっくりするくらい下っていきますので、心の準備をお願いします。

途中では鎖場(ロープ場)も登場します。難易度は高いとは思いませんが、堆積した落ち葉で滑りそうになり、そこが怖かったかな…。

少々、下っていくと祠のような場所を通過していきます。

ここは中将宮というポイントです。中将とは平清盛の5男である重衡(しげひら)三位中将のこと。

平家一門が俱利伽羅峠の戦い、篠原の戦いで徐々に劣勢に追い込まれていくことは周知のことですが、劣勢の平氏にあってその巻き返しを図るための中心人物として活躍した武将です。

一の谷の戦いで平家が敗れた際に捕虜となってしまったようですが、その後に逃げ出して、この鷲頭山の中腹に隠れ住んでいたようです。結局は見つかってしまい処断されてしまうのですが、付近の住民がその霊を慰めるために祀ってきたのが、この場所の由来となったようです。

ちなみにですが、平家物語の中では兄貴4人を差し置いて、圧倒的に出番が多いのもこの重衡です。きっと性格も良くて、イケメンだったんでしょうね(´_ゝ`)

・・・

さて、中将宮を通過してからも、もうしばらくは急な下りが続いていきます。一度、海の方まで出ちゃうのではないかと思うくらい下っていきます。

…が、無事に志下峠に到着。

小鷲頭山から志下峠までのコースタイムは約30分となっていますが、本当に下りっぱなしの30分でした…。

ただ、ここから志下山を越えて徳倉山の手前までは登山道がグッと穏やかになり景観も良好な区間となります。

樹林帯を少し歩くと東側の斜面が急に開けてきます。この場所までたどり着くと、しばらくは海を眺めながらの爽快ウォークの時間帯の始まりです。

目の前には次なるピークである志下山のピークも見えています。鷲頭山の凶悪な傾斜とは異なり、とてもなだらかで優しい山容をしているのがお分かりいただけるはず。

志下山までの道中はどこを切り取っても開放的な場所ではあるのですが、地元の山岳会の方が設置されたであろう展望箇所が二か所ありますので、是非、足を止めてみましょう!

まずはき★らら展望台

そのまま『きらら』と呼んでも良いのか不明です。星は『つのだ★ひろ』的なモノでしょうか…。ここで歩いてきた登山道を振り返ると鷲頭山・小鷲頭山の遠景がキレイに眺めることができます。本当に急斜面を下ってきたんだなと言うことが実感できる場所。

次いで志下山ピークの手前にある奥駿河パノラマ台です。

上の写真は草に邪魔されてしまっていますが、駿河湾と港町が望める場所で、とてものどかな気分になる場所でした。ただ、正直、二か所から見える景観にはそこまでの違いは無いんですけどね…。

2つの展望台は登山道を歩いていれば、見落とすことはないでしょう。

奥駿河パノラマ台からも少し登っていくと、沼津アルプス4座目の志下山に到着です。

海を眺めることのできる絶好のロケーションではあるのですが、山頂は思いのほか狭く、団体様が既に食事を採っておりましたので、ここは泣く泣くスルー。

腰を下ろす場所を探すのにも苦労する有り様で、事前のリサーチではここの景観が香貫山に次いで素晴らしい場所だと知ってはいたのですが。残念です…。

・・・

さて、気を取り直してグイグイ進んでいきましょう。この日は空に雲一つない快晴で歩いていてホント気持ちが良かった。

志下坂峠を通過~。

ここからでもエスケープができるみたいですが、今日の私にそんな考えは毛頭ない模様。

しばらくは海の見えない樹林帯にINしてしまったので、さっきの場所でオーシャンビューはお終いかな?と思っていたのですが、もう一か所だけ海の見える好展望の場所があるので見逃さないように!

志下坂峠からちょっと進んでいくと、日当たりの良い坂道の場所を通過していくのですが、こちらでは是非、来た道を振り替えっていただきたい場所です!

  

ご覧の通りですが、鷲頭山・駿河湾・港町が一望できる絶好のロケーションとなっています。志下山よりも標高が高い場所になるので、より上から見下ろしている感があっていい感じです♪

志下山では落ち着いて景色を眺めることはできませんでしたが、この場所は休憩している方の数も比較的少数であったため、予定を変更してこちらで小休止とさせていただきました。

この場は見晴場というポイントで、山と高原の地図には載っていないポイントなので見落とさないようにしましょう!

かく言う私も、休憩していた女性の方から『お兄さん。後ろ振り返ってみなよ!すごく良い景色だよ!』…と声を掛けられなければスルーしていたかもしれない場所です。お声がけをいただいた方には感謝しかないです(*- -)(*_ _)ペコリ

なお、この見晴場まではそこそこの急坂を上がってくる必要がある場所です。道中はロープ場もあり、登り切ったあとの休憩にはもってこいの場所。

見晴場直下のロープ場

この見晴場を過ぎてしまうと、最後の香貫山までは海を眺めることが出来なくなります。しっかりと目に焼き付けておきましょう!

・・・

さて、見晴場からは再度、樹林帯に入ってアップダウンのある稜線上を進んでいきます。

今回、沼津アルプスを歩いたのは1月上旬と言う厳冬期真っ盛りな時期だったわけですが、新緑のようにみずみずしい樹木が生い茂っているのをよく見かけました。目に鮮やかな緑色で、なんだか無性に夏山が恋しくなりました。

・・・

もうしばしばらく進むとしおみち広場というポイントを通過していきます。

この場所も樹木に覆われてはいるのですが、富士山方面の展望は開けています。もしかしたら、これも地元の方々が樹木を切り払ってくれているのでしょうか?

そして、雲一つないピーカンであるにも関わらず、富士の周囲にだけ不吉な雲がかかっているのが気になってしょうがなかった…。

まぁ、大丈夫でしょ!と言うことで先に進みます。(なお、2回目のフラグの模様…。)

・・・

広場を過ぎてしまってからも相変わらず小刻みなアップダウンが続いていきます。

太平洋戦争末期の機関銃座の跡地を通過~。

確かに、沼津アルプスは駿河湾に面した高台なので、銃座を置くにはピッタリな場所だったのかもしれません。

さらに歩いて香貫台分岐というポイントに到着です。手作りの看板を見ている限りでは7山7峠と銘をうっており、こちらの分岐についても峠の一つに含まれている模様。

香貫台分岐からはそこそこ急な登り返しが待っています。

一応ロープ張ってありましたが、使わずとも登り切れる程度の坂道です。傾斜が緩やかになってくると徳倉山に到着となります。

  

徳倉山の山頂と香貫山までの模様

さて、本日5座となる徳倉山に到着です。標高は約256m。

展望については上の写真の通り。樹木の間からチョロっと富士山が見える程度場所です。

展望については上述の通りですが、徳倉山は陽のあたる気持ち良い山頂で思わず昼寝をしたくなるような場所でした( ˘ω˘)スヤァ

普段は小休止を取る場合は、立ったまま行動食を摂取するくらいに留めておくのですが、こちらの山頂では、少々、腰を下ろしてボーっ(´Д`)としておりました。今思い返せばこの時点でそこそこ疲れが溜まっていたのかもしれない…。

ちなみにですが、この日の前日も登山に出かけておりました。『伊豆三山縦走!』と意気込んでいたのですが、事前のリサーチ不足が災いして、あえなく失敗に終わっています。2日間連続の登山と言うこともあり、余計に疲れが溜まっていたのかも…。

なお、三角点もあるので優しくタッチしておきましょうね!

・・・

先へと進みます。次なるポイントである横山峠へと下っていくこととなるのですが、鷲頭山からの下りほどではないですが、こちらも結構な斜度の坂道を下っています。

落ち葉の堆積も気になりました…。足に力が入らなくなり、ツルっといっちゃいそうなポイントかもしれません。

徳倉山から25分ほど下って横山峠に到着です。

しつこいですが、要所毎にエスケープルートが設けられているのは、本当にありがたい設計です。ただ、疲れは見え始めていますが、ここまで来たなら残りの2座も射止めて帰りたいところ…。

  

峠から少し進むと展望の良い場所があるので、そちらで立ち止まってみることをお勧めします。

沼津の市街地もかなり近づいてきており、長かった縦走路の終わりが見えてくる頃合いです。…とはいえ、あと2時間ほどは歩くんですけどね。ようやく沼津アルプスの辛さが実感できるようになった頃合いです…。

・・・

さて、横山峠からは急な坂道は無いものの小刻みなアップダウンが連続します。まぁ、尾根歩きとはそういうモノではあると言えばそれまでなのですが…。

・・・

さて、横山峠から25分ほど歩いて本日の6座目である横山に到着です。標高は約183m。

上の写真の通りですが、山頂は樹木に覆われてり展望はありません。ここはスルーでも良いかと思います。

…スルーで良いとは思いますが、自撮りだけは行っておきます。

こんな写真ばかり載せていると承認欲求の塊のように思われそう。だが、載せる。

・・・

さて、残すは最後の1座。香貫山となります。標準コースタイムで約1時間となっており、最後の踏ん張りどころといったところ。気合を入れていきましょー!

  

横山~最後の山頂 香貫山まで

横山からは一度大きく下って、再び香貫山へと登り返すこととなります。

歩いてみればわかると思いますが、このアップダウンについては、そういうものだと割り切って諦めてください。ここはそういう縦走路です…。

また、横山からの下りについても傾斜はそこそこ急になっており、何か所かロープ場も出てくるポイントです。

疲れも溜まっているはず。落ち着いていきましょう。

車道が見えてくると、下りについては、一旦お終いです。

車道との合流点は八重坂峠登り口というポイントです。

一旦、車道に出ると右に行くか、左に行くか迷うポイントではありますが、左へと進むのが正解です。ちなみに、私はというと、先行者の背中を追っていくだけだったので、迷うことはありませんでした(*- -)(*_ _)ペコリ

なお、このポイントについては、紅白の煙突が見える方向は不正解と覚えておくと良いかもしれません。

しばらく歩いていくと車道を挟んで対面に香貫山への登山道が見つかるはず。

車道は交通量が多めなので要注意なポイントです。

なお、香貫山への登山道のほぼ正面に八重坂のバス停があるので、ここで登山を切り上げることも可能です。

ただ、香貫山の展望台から眺める景観は、縦走路の中でもピカイチなので、是非、もうひと踏ん張りすることを強くおススメします。

・・・

さて、香貫山までについては、最初こそは登山道ですが、すぐにアスファルト舗装の道へと合流します。この道が現役の車道であるか否かについては不明ですが、車とすれ違うことはありませんでした。

しばらく進んでいくと車両侵入禁止の看板を発見。…ということは、ここまでは車は入ってこれるということか?

車両侵入禁止の看板からさらに進んでいくと、山側に香貫山への登山道が現れます。

地図を確認したところでは、階段を登っていくと香貫山へのショートカットになるようです。

しかし、このまま直進すると香貫山展望台なるものがあるようなので、まずはそちらを目指すこととします。なお、後々わかるのですが、展望台と香貫山については、わずかな距離しか離れていないので、どちらを先にしてもあまり差はありません。

一応のこと展望台方面へと先に進んでいくと沼津アルプスを眺めることのできるポイントがあったりもするのですが、展望台からの眺めの方がはるかに良い景観なので、ここであまりはしゃぎ過ぎないように。

ショートカット地点から、もう少々登っていくと円形のトイレがお出迎え。

ここまでくると香貫山の山頂も展望台も間近となります。展望台へ向かうのであれば左手にある階段を進めばOKです。右手に進むと香貫山の山頂となります。

この時の自分は、『早く縦走を終わらせたい…。』という気持ちから、まずは山頂を踏むにいくこととしました。コースタイムにして、約3分といったところでしょうか。

山側の階段を登っていくと最後のピークである香貫山です。本当にお疲れさまでした!

  

長い長い縦走の果てに…。 香貫山山頂の模様

ついに香貫山の山頂に到着です。時刻は13時45分。コースタイムは約5時間。噂に聞いていた通り、かなり歯ごたえのある縦走路で心地よい疲労感が全身を包み込んでいました…。

それだけに山頂に立ったときの感動も一塩であったと記憶しています。

山行途中では、ふと思いついたことをスマホのメモアプリに記録するようにしているのですが、メモには『本当に歩きごたえがあって笑った。膝も笑った。』と記載されていました。まぁ、こんなことを記録している時点でまだ余裕がありそうなもんですが…。

香貫山の山頂については、ご覧の通りではありますが、何らかの機械設備が設置されているだけで、展望は皆無の山頂となっています。

記念撮影という名の儀式を終えると速やかに香貫山の展望台へと移動することをお勧めします。

・・・

移動してきて香貫山山頂のすぐお隣にある展望台へと到着です。

見ての通りですがかなり立派な造りになっています。展望台からはここまでの苦労が報われるほどの光景が待っていますよ。

・・・

そして、こちらが展望台からの景色です。見よ!この大絶景を!

  

・・・と言いたかったのですが、富士山の頭にはしっかりと雲が付着しています。

縦走途中まではドピーカンで雲一つない空だと思い込んでいたのですが、やっぱり午後に差し掛かってしまうと駄目ですね…。

そういうわけで、なんだか最後の最後で締まらない登山となってしまいましたとさ…。

ちなみに晴れているとこんな感じの風景を拝めるようです。言わずもがなですが、晴れた日の朝一に来るのが理想的でしょうね。

香貫山展望台の山座同定表より

・・・

とはいえ、富士山の方面の景観は物言いがつきましたが、沼津アルプス側の方面の景観はというと、それはそれは素晴らしいものがあります。

縦走を開始した大平山についてはちょっと見えないですが、最高峰の鷲頭山から連なる沼津アルプスの山々を眺めることができて、ひとまずは満足かなといったところ。

これは負け惜しみとかではないですが、この景観を見れて本当に良かったと思いました。こうして、激闘の一日を反芻しながら山頂で過ごす時間も悪くないないもんだ。

改めて沼津の市街地の方に目を向けてみると、おもちゃのブロックみたいなビルが林立しているのが良くわかります。

大変失礼な話ではありますが、沼津市はもっと地方都市っぽい街並みを想像していたので、この発展具合には面食らった部分があったります…。

展望台は何らかのアンテナ基地となっているようでした。空気の澄んだ冬の青空が目に染みるぜぃ。

しかし、本日はピーカンと言っても差し支えの無い空模様なのに、何故、富士山だけは雲をかぶってしまっているのか…。まぁ、ここで愚痴を言っても仕方のないことなんですけどね…。

  

展望台にはひっきりなしに人が登ってくるので、ひとまず退散です。展望台に登らずとも展望台の周辺は遮るもののない高台になっているので、あまり固執する必要は無いかもしれません。

なお、展望台で聞こえてくるのは日本語よりも他の言語の言葉の方が多く聞かれました。こんな地方の穴場のような場所にまで、外国の旅行者が訪れるようになったんだなぁ。ということを改めて実感しました。

・・・

さて、展望台から降りてきて真っ先に目につくのはこちらのユニークなオブジェクトでしょうか?

以前にSNSで、すごくお洒落な写真を撮影している方がいたので、立ち寄ってみたいなぁ~。と思っていた場所。

…だったんですが、やはり富士山の雲がいびつな掛かり方をしているので、想像していたような写真は撮れず。こんなことをいつまでもグチグチ言っているから女性にもてないのでは?

展望台の周辺にはベンチや東屋なんかもあって休憩にはピッタリな場所かなと思います。

実際にこちらの展望台で食事休憩をされている方を多く見かけました。

ちなみに上の写真の東屋には交流ノートもありますので、記念にカキコするのも良いかもしれません。

私はこういうものを見つけると必ず記帳していくという習性があるため、沼津アルプス縦走の所感を記載しておきました。宜しければ見つけてみてください(*- -)(*_ _)ペコリ

各方面に設置されているベンチからの眺めもかなりのものでした。香貫山の山頂には思いのほか人出が多いのですが、休憩できるスペースは多いので、ゆっくりとくつろぐことが出来ますよ!

そういう私もこちらのベンチで、しばしの間、ボーっと佇んでおりました。

明日からの仕事のことを考えると腰が重い。

そんな俗っぽいことを考えていました。

・・・

香貫山の山頂付近には野良猫が多いらしく、一つの名物になっているようです。

最後に思いきっりガン見されながら、山頂を後にしましたとさ。

  

【オマケ】下山時も魅力が多い沼津アルプス

さて、長い縦走を終えて下山に入りますが、沼津アルプスは最後の最後まで楽しませてくれる場所です。

山頂からは山道を通って黒瀬バス停まで下るのがポピュラーですが、途中で目につく五重塔からの景色もなかなか圧巻でした。

こちらは香陵台の中腹にある沼津市慰霊平和塔というもので、日清、日露、第一次、第二次世界大戦の戦没者を祀っている場所となっています。

こうして私が平和に登山をできているのは、戦ってくれた先人の方々のおかげなんだなぁ。と思ったり。

どうか安らかにお眠りください。

・・・

そのあとは黒瀬バス停まで下山し、丁度、通りかかったバスに乗車して沼津駅まで帰ったとさ。

  

沼津アルプス縦走を終えて

想像以上に辛い道のりだった。

…というのが、沼津アルプスを縦走した後に真っ先に思い浮かんだ感想でした。正月明けの鈍った体と二日連続の登山ということもあり、臨戦態勢になっていなかったという言い訳はありますが…。

ただ、どうしても、ご当地アルプスと聞くと『低山をのんびりハイク♪』というイメージが先行してしまい、どこか舐めていた部分があった気がしています。

  

…とはいえ、下山後に沼津駅に帰り着いた時の充実感たるや、長期の縦走を終えたときのモノと何ら変わりのないモノだったを今でも鮮明に思い出すことができます。

『新年1発目から何かを成し遂げた!』という喜びがそこにはあった気がします。

・・・

本文中では道中から富士山の眺めを気にしてばかりいて、景観ありきの登山記事となっていますが、これは実際に沼津アルプス縦走中の私の心境をそのまま記事に起こしたつもりです。

ただ、こうして本記事を執筆している最中は、『別に景観がすべてじゃないよね。』と、心境に変化があったのもまた事実です。アルピニズムという言葉もあるように、『景観にこだわらずとも何かを成し遂げるための登山』というのも、また、素敵なことなのではないかと改めて認識しています。

まぁ、景観が良いに越したことは無いのですが…。

  

そんなわけで、香貫山の山頂同様、締まらない記事になった気がしてますが、こちらで一旦筆を置かせていただきます(*- -)(*_ _)ペコリ

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さて、ここまでお付き合いをいただき誠にありがとうございました。これからも、皆様が登山の旅に出る足掛かりとなるようなブログ執筆が出来れば良いなと考えている次第です。たまにで良いので覗いていただけるとこれほど嬉しいことはありません(*- -)(*_ _)ペコリ

ここまで読んでくださったあなたの次の登山では『辛い道のりでも、もうひと頑張りできますように!』

  

それでは。

  

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