今回は小金沢連嶺を日帰りで縦走して参りました。総距離は約21㎞。なかなか骨太な道のりの縦走録となりました…。
小金沢連嶺については、明確な定義のようなものは定かではありませんが、おおむね大菩薩嶺から滝小山までの標高2,000m級の山々の尾根を指すようで、富士山の大絶景と開放的な笹原歩きを楽しめるエリアとなっています。

実際に歩いてみて、個人的には非常にオススメの縦走路と思っているのですが、いかんせん隣に鎮座する大菩薩嶺の存在感が大きすぎるため、なかなか脚光の浴びることの無い山域という印象です。

それゆえ、登山者もそれなりで静かな山行を堪能できるのですが…。
小金沢連嶺は大菩薩連嶺よりも富士山に近い山域であり、よりダイナミックな眺めを堪能できます。また、尾根上には開放的な笹原歩きを楽しめる場所もあり、これまた大菩薩連意にも引けを取らないポイントです。


正直な話、実際に歩くのであれば小金沢連嶺の方が山の魅力としては勝っているとすら個人的には感じています。(山の歴史や風格などは置いておいてですけどね…。)
今回はそんな小金沢連嶺の魅力を伝えるべく記事を執筆しましたので、是非、ご覧ください(*- -)(*_ _)ペコリ
(登山日:2024年5月冒頭)
小金沢連嶺はこんな縦走路
- 富士山の絶景を眺めながら縦走できる!
- 開放的な笹原・草原地帯も堪能できる!
- 大菩薩嶺の陰に隠れて登山者数もそれなりな穴場的な縦走路
- 下山後には温泉に浸かって疲れをいやすことができる
- 一部ポイントを通過するとエスケープルートが無いため歩き切る体力は必要
- 体力などの事情によっては分割して歩くのも全然あり!
なお、詳細なルート、分割登山のオススメ、難易度、アクセス、見どころなどについては、以下の記事をご参照いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
実際に歩いたルート
ルートについてはフリーハンドで記載しています。誤差等あるかもしれませんので、登山の際には必ず地図・GPSアプリを使用してください。

ますは、甲斐大和駅からバスに乗り小屋平バス停までアクセス。
その後はバス停の前にある登山口から…
- 石丸峠
- 小金沢山・牛奥ノ雁が腹摺山
- 湯の沢峠
- 大蔵高丸・ハマイバ丸
- 米背負峠
- やまと天目山温泉
やまと天目山温泉からはバスで再び甲斐大和駅へと戻りました。
コースタイム
標準的なコースタイムは9時間20分となっています。
なお、実際に私が歩いた際のコースタイムは以下の通り。写真撮影をしながらかなりゆっくり目に歩いています。
- 07:40 甲斐大和駅
- 08:50 小屋平バス停着
- 09:35 石丸峠
- 10:30 小金沢山
- 11:20 牛奥の雁が腹摺山
- 12:30 黒岳
- 12:40 白谷ノ丸
- 13:50 大蔵高丸
- 14:25 ハマイバ丸
- 15:10 米背負峠
- 16:35 やまと天目温泉
少々長くなりましたが、以下からが登山ルポ本編となります(*- -)(*_ _)ペコリ
甲斐大和駅から登山口まで
さて、いきなりですが、皆様には『今日の登山は失敗だな…。』と開始前から思った経験はありますか?

私にとっては今回がまさにそういう日でありました。
時はGW真っ只中の5月4日。登山口までのバスが発着している甲斐大和駅に降り立つ人の波…。

駅に溢れるカラフルな登山ザックを目の当たりにした瞬間に『今日は来る山を間違えた…。』と思った瞬間でした。
・・・
…が、しかし。最初こそ状況は絶望的だと思っていましたが、登山口までのバスは臨時便が出ており、20分と待つことなくバスに乗り込むことができました。

満席になり次第すぐに発射というピストン輸送で、見る見るうちに人が掃けていく様子はある意味壮観…。
また、大菩薩嶺の登山口である上日川峠まで行く人とそれ以外の場所で降車する人でバスを分けて運行しているようで割とスムーズに乗車できたのもありがたかった。これは運営している栄和交通さんがグッジョブと言わざるを得ない。
おそらく年で一番のかき入れ時なのでしょうね…。
・・・
つつがなく小屋平バス停に到着~。臨時便に乗車できたからか、普段の時刻表よりも若干ですが早い時間に到着することができました。

GWということで多少の到着の遅れは覚悟していたのですが、これは嬉しい誤算♪
小屋平バス停では約15名が降車したのみ。小屋平前のすずらん昆虫館前のバス停から牛奥の雁が腹摺山を目当てにしている方もそこそこいらっしゃるようでした。

・・・
登山口については、小屋平バス停から道路を挟んで対面です。バス停のほぼ正面なので嫌でも気付くでしょう。わたしが見落とさないくらいなので間違いない。

そういうわけで長丁場となるGW登山の始まりです。気合を入れてまいりましょう!
・・・
登山開始から冒頭1時間は樹林帯の登り坂が続いていきます。

途中で林道(廃道?)らしき部分に出ますが、案内板も沿って進んでいきましょう。

樹林帯の坂道を登っている最中にも富士山がチラホラ顔をのぞかせるのですが、後になれば嫌になるくらい眺めることになるので、ここでムキになる必要はなし。

樹林帯を抜けて青空が見えてくると石丸峠が近い証。富士山も視界に入るようになってきて、好展望のハイクが始まる合図です。


ちなみに、富士山の手前に横たわるのが小金沢山。大月市の定める秀麗富嶽12景にも選定されています。
西暦2014年にはこの年だけ多くの登山者でにぎわったとされています。なぜなら標高が2,014mでその年の山だったかららしいです。そういう登山の仕方もありなのね…と思ったり。
・・・
そういうわけで石丸峠に到着です。

心地よい草原上の峠でなんだかワクワクするような場所でした。
今回の樹走路とは逆方向の熊沢山という山を越えて行けば介山荘を経て大菩薩嶺方面へと抜けることが可能です。

熊沢山の山頂まではコースタイムで15分ほどなので、ピークだけでも踏んでいこうかとも思ったのですが辞めておきました。これからロングルートを歩くことになるので、少しでも体力を温存しておかなければ…。そして、この判断が正しかったことは後々証明されます。
・・・
石丸峠から小金沢山方面へちょっとだけ進んでいくと非常に展望に優れた岩場に出ます。ここは天狗棚というポイント。

非常にダイナミックな光景です。そして特筆すべきは、GWのど真ん中であるにも関わらず人が皆無であったという点。
縦走は始まったばかりで序盤も序盤ですが、しばしこの光景に見とれてしまいました…。

何故、この場所がこんなにも知名度が無いのかが不思議でなりませんでしたが、やはりお隣の大菩薩嶺のというブランド山岳には叶わないということなのか…。
・・・
奥に白く冠雪しているのは南アルプスの山々です。昨年は訪れる機会がなかったため『今年こそはいきたいなぁ』と決意していたのですが、このブログを書いている時点で再訪はでできていません。南アルプスは遠いんですよねぇ…。

左下に写っているのは大菩薩湖。『湖』と書くと野趣あふれる気がしますが、単純なダム湖となっています。ただ、景観の良いアクセントになっているのでこれはこれで良しっ!
・・・
縦走を開始して早々に小金沢連嶺のポテンシャルを十二分に感じたのは良いのですが、あまりゆっくりし過ぎると日没タイムアップという結末を迎えかねないので、断腸の思いで先に進むこととします。
・・・
天狗棚から縦走路の第一座目となる小金沢山までは、最初は気持ちの良い草原の中を突っ切っていくのですが、再度一度樹林帯にINすることとなります。

個人的な感想にはなりますが、この区間が最も険しく道迷いもしそうな場所でした…。
倒れた倒木やむき出しの岩場もあってなかなかペースが上がらずヤキモキする時間帯です。道も不明瞭な部分があって注意が必要かと。


コースタイムでは70分となっているので、ここは我慢の時間帯として割り切っていきましょう。
樹林帯を抜けて開けてくると小金沢山の山頂となります。一旦、お疲れさまでした。

秀麗富嶽十二景の1つ! 小金沢山の模様
小金沢山の山頂に到着です。標高は2,014m。登山開始から1時間40分での到着となりました。

秀麗富嶽十二景にも選定されており、富士山の眺めも抜群です。

ただ、抜群ではあるのですがこの後も縦走を続けるのであれば、より富士山に近づくように歩いていくので、より迫力ある光景を眺めることができます。
とはいえ、この光景だけを見るためだけに小金沢山に来るのも全然あり!…というレベルの山頂でした。
・・・
山頂は狭めですが数えられるくらいの人数しかいないため、休憩する場所には困らず。何度も言っているけどなんでこんなに人出少ないのかが理解できないよ…。

ちなみに山頂で出会ったご夫婦の方は、前日はロッジ長兵衛で宿泊し、今日は小金沢山だけに狙いを定めてきたとのこと。
『絶体にこっちの方が展望イイよ!』としきりにおっしゃっていましたが、完全に同意です。
恒例の三角点タッチも済ませたところで、早々に次なる頂を目指していきます。

小金沢山から牛奥ノ雁が腹摺山まで
小金沢山から牛奥ノ雁が腹摺山までの登山道については割と平坦な笹原の尾根道を進んでいきます。

ところどころで樹林帯も挟まるため、完全に開放的な尾根道とは言えませんが、日の差す明るい樹林帯を歩くこの区間は、小金沢連嶺縦走の中で印象に残るシーンの一つです。

ブログを書いていると山頂からの景色や好展望な立地ばかりを紹介しがちになっていますが、個人的にはこういう『山頂までの道筋が魅力的であるかどうか?』も大事にしているポイントだったりします。
・・・
ちなみにですが、明るい樹林帯が形成されている理由は、どうやら立ち枯れ現象が影響しているようです。枯れ果てた樹木が倒れることなく林立していることから、このような特異な景観が生まれたわけですね…。

立ち枯れとは、樹木が病気や酸性雨などにより倒れずそのまま枯れてしまう現象のこと。
おそらくは自然破壊の産物なのでしょうが、歩いているときはそんなことも知らずに気持ちよく歩いていましたとさ。
・・・
富士山を脇目に軽快に歩を進めていきます。

写真左手のピークが牛奥ノ雁が腹摺山となります。小金沢山からはわずか35分のコースタイムで目にも足にも優しい区間でした。
牛奥の雁が腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)山頂の模様
さて、牛奥ノ雁が腹摺山に到着です。標高は1,990m。

読み仮名は『うしおくのがんがはらすりやま』となっていて、日本で一番長い名前の山名であるとのこと。
小金沢山と同じく秀麗富嶽十二景の2番山頂に指定されています。十二景と言いながらも20座も山頂を選定していることについては謎が深まるばかりですが…。
山頂からの富士山の眺めはというと…こんな感じです。

周りの樹木が邪魔している分、小金沢山からの方がキレイに見えていた印象です。
秀麗富嶽十二景の中には『秀麗』と言えるかは微妙なラインの山がいくつかあったりするのですが、こちらは十二分に『秀麗』と名乗って良いほどの眺めでした。…というか、本日登頂した秀麗富嶽は全て高水準なレベルだったと思う。
なお、山頂は広場状の山頂となっています。休憩できるスペースは多くあるのですが、そこまで人出がいないのが悲しいところです…。

山頂ではGWであるにも関わらず、あまりにも人出が少なかったので、久しぶりに自撮りを敢行。

上の写真は何度もカメラの角度を調整して、やっと撮影したモノです。こういう苦労して撮影した写真は意地でも使うのがこのブログのポリシーです。
・・・
さて、牛奥ノ雁が腹摺山を出発して次なる目的地に向かうのですが、ここからは大きめの登り返しがあったりと体力的にきつくなる区画です。気合を入れてまいりましょうか。
牛奥の雁が腹摺山~黒岳~白谷ノ丸まで
山頂から白谷ノ丸まではコースタイムは約1時間。下の写真の通りですが、一度下って登り返す必要があります。

左の奥に映っているピークが黒岳です。
まずは明るい草原地帯を緩やかに下っていきます。

登り返しが始まっても明るい樹林帯を進んでいきます。

良くある樹林帯なのですが、日の光が思いっきり届いているので違和感しかない場所でもありました。
樹木の数が落ち着いてくると川胡桃沢の頭(かわくるみさわのかしら)に到着です。

山頂には簡易な看板があるだけです。通過でOK!

しかし、樹木が無ければここも十二分に展望の良い休憩場所になっただろうに…。なんだかもったいなぁと思ってしまう山頂でした。

コチラの川胡桃沢の頭で白谷ノ丸との中間地点辺りとなりますが、登りはひと段落し、高低差の少ない尾根上の道が続きます。

黒岳の手前で大峠への分岐点に到着。

大峠までは車でアクセスが可能なポイントですが、バスの路線は走っていないので、公共交通機関を使用して山に登っている私には縁のない場所です(´・ω・`)
大峠にアクセスできれば無印の雁が腹摺山や好展望の姥子山にも簡単にアクセスできて便利そうなんですけどね…。
大月市の秀麗富嶽十二景の一座。『雁が腹摺山』と名のつく山には、先ほど登頂した➀牛奥の雁が腹摺山、②笹子雁が腹摺山、そして無印の雁が腹摺山の三座が存在しています。
分岐からほんのちょっと進むと黒岳の山頂となります。今回の縦走路では唯一全面が樹林帯に囲まれており展望はありません。

長めの坂道を登ってきたことで多少疲れは出てきている頃ですが、10分ほど歩けば好展望のピークが待っているので、ここはもう少し頑張りましょう!
ただし、三角点はあるのでやさしくタッチはしておく。しかも久しぶりの一等三角点。

・・・
黒岳の山頂からは引き続き平行移動です。

樹林帯の中だというのに植物がモリモリ育っているのが印象的な場所でした。
10分ほど樹林帯を進んでいくと突然、視界が大きく開け、白谷ノ丸に到着です。

個人的には今回の小金沢連嶺のなかで最高に好展望な場所です。一旦お疲れさまでした。
富士眺望のベストスポット! 白谷ノ丸の山頂の模様
白谷の丸(しろやのまる)に到着です。標高は1,920m。
山頂に着いた時の感動は今でも覚えています。

まさにダイナミック!
樹林帯から出た瞬間にこの光景なので余計に印象に残る景観になろうかと思います。この山は何故か秀麗富嶽十二景にも選定されていないため、完全にノーマークな場所でした。個人的にはもう一度選定しなおした方が良いと思う。
この場所でトレランの方に追い抜かれたのですが、『こりゃすげぇ~』と言って流石に足を止めていました。

…と言うわけで私も写真タイムです。トレランの方。お疲れのところ写真撮影に快くお付き合いいただき本当にありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
まずは崖の立って一枚!

おあつらえ向きの岩の上に腰かけて一枚!

最後は自撮りで真正面から一枚!

・・・
こうして写真撮影も思う存分楽しでからも、しばらくボケ~っと景色を楽しんでいました。山頂も広場のようになっていて、休憩にも最適なんですよね…。

・・・
…さて、ここまでは非常に充実した縦走路となっているのですが、実はまだこの時点で半分くらいの距離しかきてないんですよね…。
正直、ここで縦走を諦めて帰路についても満足な一日になったとは思うのですが、ここまで入り込んでしまうと目ぼしいエスケープルートが無いというのが実情です。
この時点で時刻は13時をまわっています。そのことにようやく気付き、慌てて重い腰を上げるのでした…。
白谷ノ丸~湯ノ沢峠~大蔵高丸まで
下の写真の中心に開けた場所が見えますが、そちらが次なるポイントである湯ノ沢峠となります。見てのとおりですが、白谷ノ丸から湯ノ沢峠までは一旦、グイっと高度を落とします。

わかりづらい写真しか無くて恐縮ですが、登山道はザレて滑りやすく、非常に歩きにくかった…。

約40分ほど下ると湯ノ沢峠に到着となります。

湯ノ沢峠には駐車場があり車でもアクセスが可能な場所です。ただし、バスの路線は走っていません。ここでエスケープができたならばどんなに幸せなことだろうか…。
ちなみに、この時点で時間的にそこそこ焦っていたので写真には写していないのですが、トイレと水場もあるようです。
湯ノ沢峠を通り過ぎていくと場違いな扉に遭遇。

扉を開けて進んでいくと『あら、素敵♪』

開放的な湯の沢峠のお花畑に到着です。
惜しむべくは、5月上旬のGW期間中は高山植物の開花には少々早かったことと、多少焦っていたのでこの景色を満喫する余裕が私にはなかったことか…。
ただ、写真を見返してみても、本当に見事な草原地帯で惚れ惚れする場所でした。

奥に見えているのが次なるピークである大蔵高丸(おおくらたかまる)です。湯の沢峠からは約35分の登り返しが待っています。なお、山全体が樹木に覆われているように見えますが、富士山のある南側は展望が開けているので、展望も抜群の場所です。
大蔵高丸までの登り返しについてはほとんど記憶にありません…。遅れたペースを取り返そうと無心で歩いていました。

湯の沢峠の標高が1,650mで、大蔵高丸の標高は1,781mとなっており、標高差130mほどの坂道を駆け上がっているはずなんですけどね…。
坂道を登り終え、山頂までの一本道となった場所で先行していた方の背中を捉え、一気に落ち着きを取り戻したのは、今となってはいい思い出です。

そういうわけで大蔵高丸に到着です。
秀麗富嶽十二景の一つ! 大蔵高丸山頂の様子
大蔵高丸の標高は1,781m。秀麗富嶽十二景の3番山頂に選定されている山となっています。

富士山の展望については申し分なし!

ただ、頭の部分に雲がかかり始めたのがちょっと残念だったかな…。空気の澄んでいる朝方の登山が肝要だということを改めて実感。
落ち着きを取り戻したところで自撮りにいそしみます。

なお、ポーズには意味はない模様。正直なところ空元気です…。この頃はかなり疲れが溜まっていたので…。
こちらは下山を予定している甲斐大和駅方面の景観です。

おそらく画像の中央を走っている尾根上を伝って下山をしていくものと思われます。こうしてみてみるとまだまだ歩くのだと言うことを痛感するばかり…。
小金沢連嶺については、なだらかな稜線となっており歩きやすい登山道ではあるのですが、アップダウンが無いわけではないので、それがボディブローのようにじわじわと効いてくる印象です。
そうは言いつつも、ここからは歩いて下山するかしかないんですけどね…。
大蔵高丸~ハマイバ丸まで 穏やかな稜線上を歩く
さて、大蔵高丸からハマイバ丸まではわずか30分ほどのコースタイムなります。

散々弱音を吐き散らかしましたが、登山道自体は穏やかでイージーです。(スマホのメモ帳に当時の心境を記録しているのですが、大蔵高丸ではホント『辛い』だの『しんどい』だのしか感想が書いてなかった…。)
大蔵高丸までの尾根道は笹原あり、草原地帯あり、展望ありの風景でしたが、ハマイバ丸まではなんというか荒涼とした雰囲気が漂う登山道に様変わりしていきます。



特にこれといった見どころは無かったかなと思います。
ただ、道中に一本だけ季節外れの桜が咲いていたのには癒されました。

木に覆われた小高い場所にたどり着くとそこがハマイバ丸となります。

本日最後のピークです。お疲れさまでした。
最後のピークに到着 ハマイバ丸山頂の模様
ハマイバ丸に到着です。標高は1,752m。

本日4座目の秀麗富嶽十二景に登頂したことになります。なお、大蔵高丸と同じく3番山頂という扱いで、秀麗富嶽十二景の進捗は二つのピークを合わせて1つ進んだことになります。
なお、ハマイバ丸を漢字で書くと『破魔射場丸』と書くようです。

漢字で書くと途端に重厚感がでてくる不思議な山。
山頂の様子はこんな感じ。

樹木で覆われており富士山の景観が見れないのではないか?と一瞬不安になりますが、そこは心配ご無用。きちんと富士山側の展望は開けています。

周りの樹木が気になって、開放感と言う面では白谷ノ丸や大蔵高丸などのピークよりも物足りない気はしますが、十分に『秀麗』と言って差し支えない景観です。
そういうわけで本日最後の自撮りをパシャリ!

満足!
これで思い残すことは無いかな…。
・・・
さて、このハマイバ丸で富士山とはお別れとなります。思う存分、目に焼き付けておきましょう!
…ただ、わたしのスマホのメモ帳には『さすがにもう見飽きた。』とだけ記録が残されていました。まぁ、ほぼ丸一日眺めていたのでそうなるか…。
気を取り直して、やまと天目温泉へと下っていきましょうか。
ハマイバ丸から『やまと天目温泉』まで 長い林道歩き
ここまでは心地よい疲労感と充実感に溢れていましたが、登ったのであれば当然下山する必要があります。

小金沢連嶺は本当にお勧めしたい山域ですが、この長い下山路については少々辟易するポイントではありますね…_( _´ω`)_ペショ
まずは米背負峠(こめしょいとうげ)まで約100mほど高度を落としていきます。

意外と急坂で滑らないように注意が必要なポイント。
道中に天下岩と名付けられた岩を通過していきます。

残念ながらこちらは破魔射場丸と比べて名前負けしている印象…。
樹林帯の中をさらに下っていきます。

鞍部に到着したところが米背負峠となります。

ここで甲斐大和駅(やまと天目温泉)方面へと向かうか、初狩駅方面に向かうかの分岐となります。
この日の私には時間も余力も無かったので、米背負峠から40分ほど下って藤沢林道との合流を目指すことに…。
・・・
一気に高度を落としていきますが、チラホラと新緑が芽吹いているのを感じられて新鮮な気持ちになれる場所でした。

小金沢連嶺上は標高も高いためか、新緑が遅れており殺風景な光景でした。また、季節を変えて挑戦してみたいと心に誓った場所でもあります。
登山道については沢沿いを歩いていくのですが、尾根上と比べて登山道・踏み跡は若干ですが不明瞭な印象。ポイントごとに案内板やテープが巻かれているので、見逃さないように進んでいきましょう。



藤沢林道に合流すると、さらにそこから1時間15分ほどのロード歩行となります。一般車は通行禁止となっているため、車に気を付ける必要は無いかもしれませんが、落石の跡はチラホラ見かけるので注意は必要かも。



甲斐大和駅までのルートも整備されてるようですが、やまと天目温泉に向かうのならアスファルトの上を引き続き歩いていきましょう。
こちらの廃トンネルが見えてくるとゴールは近い証です。ちなみにトンネルの中は真っ暗です。

もしかしなくても、本日の小金沢連嶺の縦走で一番恐怖を感じた場所でした。スマホのライトの明かりを頼りにおっかなびっくり通り抜けました。
さらに林道を下っていくと天目トンネルに合流します。ここからは一般車両も通る一般道。

再度トンネルを通り抜けると、やまと天目温泉はすぐそこです。トンネル内部には、狭いですが歩道も設けてあるので安心して通過しましょう!
16時35分。やまと天目温泉到着!

約7時間30分にも及ぶ縦走を終えた瞬間でした…。アップダウンは少なく穏やかな縦走路だったとは思うのですが20㎞以上も歩いていたので、さすがにクタクタです。
疲れすぎていたのか、やまと天目温泉の写真を全然撮っていないことに執筆中に気が付きました。

よって、詳細はご紹介できないのですが、料金も安く、快適に過ごすことができました。なお、やまと天目山温泉にはバス停が併設されており、温泉で時間調整を行ってから甲斐大和駅までバスで帰りましたとさ。
やまと天目山温泉
- 所在地 甲州市大和町木賊517
- 定休日 毎週水曜日、年末年始(臨時休館あり)
- 営業時間 10時~19時(最終受付18時)
- 入浴料金 大人1日(中学生以上):830円
大人(3時間以内):520円
小学生1日:310円
幼児:無料
※甲州市内在住であれば割引あり
参考URL:ぐるり甲州市(やまと天目温泉)
ちなみにバスのラッピングは大菩薩嶺・金峰山・小楢山(こならやま)でした。

いずれも人気のある名山ですが、小金沢連嶺もちゃんと宣伝してくれと思わず呟いた瞬間…。
・・・
バスに揺られて甲斐大和駅にたどり着くと、朝の喧騒が嘘のように静まりかえっていました。これが甲斐大和駅の本来の姿なのでしょうね。

同じバスには本日同じルートを歩いていただろう方々も乗車していました。一言も話すことはありませんでしたが、同じ日に、同じ山を歩いた者同士、勝手に連帯感を感じていたのでした。
終わりに
人のいない静かな甲斐大和駅。



帰りの電車を待ちながら『次はどこにいこうか?』ということをひたすら反芻していました。
ブログやSNSで受けの良い人気の山にいくのもいいですが、小金沢連嶺のように人気のある山の陰に隠れている名山を掘り起こしに行くのも面白いなぁ。なんて。
そして、ここまで読んでくださった方が、『わたしも小金沢連嶺に行って見たい!』と思ってくれていたら嬉しいなぁ。
なんてことを考えるのでした。
・・・
さて、ここまでお付き合いをいただき誠にありがとうございました。これからも、皆様が登山の旅に出る足掛かりとなるようなブログ執筆が出来れば良いなと考えている次第です。たまにで良いので覗いていただけるとこれほど嬉しいことはありません(*- -)(*_ _)ペコリ
さて、ここまで読んでくださったあなたの次の登山で、開放的で感動的な景色と出会えますように!
それでは。
・・・
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