今回は伊豆にある天城連山に登山してきました。標高は最高峰の万三郎岳で約1406mです。
国土地理院の地図上では、天城山という表記がなされていますが、『天城山』という単独の山は存在しておらず、連山の総称として名付けられた表記となっています。
(冒頭に記載した通りですが、)天城連山の主峰で最高峰は『万三郎岳』となっており、同時に伊豆半島の最高峰でもあります。日本百名山の一座にも数えられる山岳で、登山をしない方にとっても知名度はそこそこあるのではないでしょうか?
本来、この山が一番輝く季節と言えば、シャクナゲ・ツツジの咲き誇る5月上旬から6月となりますが、山頂からの眺望はお世辞にも優れているとは言い難く、どちらかと言うと『登山を愛する方向けの玄人向けの山』という印象です。(…これはあくまで個人の印象です。)
さて、今回は『いちおう』天城山にフォーカスした登山記事となっているのですが、私自身のとある『野望』のため、少々、クレイジーなトレイルに挑戦してきました。
・・・というのも、今回は10末日に計画した登山と言うことで、旬を外した天城山だけでは少し物足りなさを感じておりました。
そこで、もう一つ何かオプションが欲しいと言うことで、天城山の山頂から約20㎞ほど離れた場所に位置する、三筋山と細野高原で開催されている『ススキ祭り』を堪能しようと欲張ってみたわけです。
およそ東京ドーム26個分もの壮大な広さの稲取細野高原では、毎年秋ごろになると黄金色のススキの大群生が楽しめることで有名な観光スポットで、機会があれば、是非、行ってみたいと思っていた場所でした。
そういうわけで今回は『天城山にも登りつつ、三筋山と細野高原のススキ祭りも楽しめれば一石二鳥じゃね?』という野心を持って挑戦したときの記録となります。
歩いてきたコースとしては、天城縦走登山口➡天城山(万次郎、万三郎)➡八丁池➡三筋山山頂展望台細野高原の最高峰)と踏破し、総歩行距離は27㎞を超えるロングコースとなりました。
なお、結論を先に申し上げると、天城山も三筋山(細野高原)も単独で十二分に魅力的な山となっています。今回のわたしのように無理して一日で回収しようと欲張らず、一つの山を余裕を持って堪能されることをおススメします。
珍しく前置きが長くなってしまいましたが、天城山登山口までのアクセス情報や天城山山頂までの登山時の模様なども写真の多めで紹介しています。天城山に登山される方の参考になるかと思いますので、ご一読いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
(また、わたしと同様に『三筋山まで歩きたい!』というクレイジーな方については、非常に参考になるものとなっています。)
百名山の登山と黄金のススキ野原を追い求めた男の旅が始まります。
天城山登山口までのアクセス
電車やバスなど公共交通機関でアクセスする場合
まずは、静岡県の伊東駅を目指しましょう!伊東駅からは、天城東急リゾートシャトルバスで登山口までアクセス!
なお、伊東駅からはバスを使用で紹介しておりますが、もっと早い時間帯から登山を開始したい場合は、タクシーを活用せざるを得ません。一万円は超えてきますので、メンバーとは要相談でしょう。
※ バスは2024年4月1日ダイヤ改正有り。伊東駅から一日三便。
最新の時刻表については『天城東急リゾート』又は『東海バス』の時刻表をご覧ください(どちらも同じバスの時刻表です。)。降車は終点の一つ手前の『天城縦走路登山口』となります。
参考URL:天城東急リゾートホームページ
参考URL:東海バスホームページ
※『川奈港/海洋公園/伊豆高原駅/天城高原ゴルフ場』欄の『天城高原ゴルフ場』欄の時刻表をご覧ください。2024年8月時点で伊東駅から1日3便となっています。
自動車でアクセスする場合
車でアクセスする場合は以下のとおりカーナビに入力しましょう!天城高原ゴルフ場の至近にハイカー専用の駐車場が完備されています。
なお、必ずハイカー専用の駐車場を利用しましょう。間違ってもゴルフ場利用者の駐車場を使用しないよう注意です。
天城山→三筋山(細野高原)→伊豆稲取駅までのコースタイム
主要なポイントの到着時刻です。適宜、休憩や写真撮影をしており、コースタイムよりも若干早い位のペースとなっています。
- 07:00 天城縦走登山口(前泊地である伊豆稲取駅周辺の旅館からタクシー利用)
- 07:50 万次郎岳(朝食・休憩含む)
- 08:50 万三郎岳
- 11:30 八丁池(昼食・休憩含む)
- 13:20 東猿山
- 15:10 三筋山山頂展望台(休憩・写真撮影)
- 17:30 伊豆稲取駅着(ゴール!)
天城山→三筋山(細野高原)→伊豆稲取駅までの難易度
コース全体を通して、
- 歩行距離は非常に長いですが、道自体は明瞭であり、危険個所もほとんどなし。(ただ、唯一、八丁池➡東猿山までの道のりについては、トレッキングコースがいくつも分岐しており、若干、わかりずらかった。)
- 標高差については、天城山に取りついている際には、大きめのアップダウンがありますが、それ以外は平坦な道が多く、総じて歩きやすい道が続きます。
- 天城山から三筋山(細野高原)までは、終始、緩やかな下り傾向の登山道で快適に歩くことができます。
よって、日帰りで30㎞ほどの登山道を歩き切れるくらいの体力さえあれば、そこまで登山の難易度は高くないコースとなります。
少々、長くなりましたが以下から記事本編となります。こちらも、ご覧いただけますと幸いです(*- -)(*_ _)ペコリ
実際の天城山登山口までの模様
いきなりですが、天城山縦走路の入り口からおはようございます。
昨日は大室山やまぼろし博覧会など伊東市の観光を終えて、伊豆高原駅近辺の『日の出屋旅館』さんで一泊となったのですが、意外と疲れが溜まっていたのか、若干の寝坊をかましてしまいました。
本来であればもう少し早い時間にタクシーを呼んで、今回の縦走に備えようと思っていたのですが、初っ端からつまずきます…。
なお、私は少しでも早朝に登山を開始したいと思いタクシーを活用しましたが、天城高原ゴルフ場(天城縦走登山口)までは、伊東駅などからバスが出ています。
単純に天城山だけの登山を狙うのであれば、バスの使用を強くおススメします。
ちなみに、伊豆高原駅から天城山登山口までのタクシー料金は約8,000円でした。ソロのわたしには痛い出費ですが、パーティで割り勘すれば、人数によっては許容の範囲内でしょうか?
・・・
遅れを取り戻すべく早速出発です。冒頭は起伏の少ない登山道を進み、700mほど進むと『四辻(よつじ)』という分岐に行き当たります。
こちらのポイントがある意味、天城山登山の起点となっており、万二郎岳と万三郎岳を周回する(通称:天城シャクナゲコース)のであれば、スタート地点でもありゴール地点でもあります。
どちらから回っても問題はありませんが、ヤマップやヤマレコを見ている限りでは、まずは万二郎岳の方へ進む方が多いようです。
それよか、登山道は三方向にしか伸びていないのに、何故、四辻という名前が付けられたのか不思議でした。ただ、今日のわたしにとっては通過点。サクサクと前へと進んでいきましょう。
苔むした登山道をガシガシと登っていきます。
いきなり出遅れていたこともあって、この段階では無心で歩を進めてました。
岩が多かったり、ザレていたりと若干歩きにくさは感じましたが、登山道自体は非常に明瞭で万二郎岳までの道中は道迷いの心配はないでしょう。
尾根上に出て、ジグザグの登山道になってくると、第一チェックポイントの万二郎岳はすぐそこです。
万次二岳山頂の様子
と言うわけで、万次郎岳に到着です。標高は1,299m。
スタート地点である天城高原ゴルフ場からは、コースタイム45分ほどでの到着となりました。
万二郎岳については、山頂が樹木で覆われており、眺望はほとんどありません。多くの登山者はただの通過点と割り切って休憩もせずに通り過ぎていきました。
わたしはというと、今朝寝坊をかまして満足に朝食を摂っていないこともあり、ここで少々、休憩をしていくことに。
眺望には期待していなかったのですが、よくよく山頂を見て周っていると、樹木の隙間から本日の目的地である三筋山と細野高原方面を眺めることができました。
風力発電設備のプロペラが林立しており、一番標高の高い地点が、三筋山の山頂となります。そして、その下に広がる草原地帯こそが細野高原です。よく見れば草原に遊歩道らしきものが張り巡らされているのが確認できると思います。
さて、上の写真については、カメラの機能で最大限までズームした画像となっていますが、実際には下の写真ぐらい距離感があります。
非常に遠く離れていますね。
悠長にポージングをとっていますが、この景色を目の当たりして、ようやく『こんなにのんびりしている場合じゃない』ということに気が付きます。
なにせ、万二郎岳の山頂で今日の行程の14分の1の地点となります…。いそいそと撤収作業をして、最高峰である万三郎岳へと向かいます。
登山口から万二郎岳は約2㎞です。三筋山を経由して、ゴールの伊豆稲取駅までは約28㎞の距離となります…。
万三郎岳までの登山の模様
さて、万次郎岳からはいきなりグイっと標高を落としていきます。
万三郎岳までは、馬の背という尾根上に沿って何度かアップダウンを繰り返し、万三郎岳へと向かうこととなります。
まずは一度大きく下ってから、登り返すと馬の背に取りつきます。
馬の背の案内板から少し進むと、唐突に『アセビとは?』の案内板が現れます。
案内版に記載のあるとおり、馬酔木(アセビ)のトンネルとなっているようで、こちらも季節(3月~5月ごろ)を選んで訪れれば、さぞきれいな景色が楽しめたのではなかろうか…。
シャクナゲであったり、アセビであったりと、ことごとく旬の花を見逃していることを痛感させられる登山となっております。別に残念じゃないし、今日はススキを楽しみに来たんだからねっ!
アセビのトンネルを抜けるともう一度大きな下りが始まります。
岩が露出して非常に歩きにくく、唯一注意して通過すべきポイントです。
2度目の下りを終えたところで通過するのが『石楠立』というポイントです。ちなみに、『石楠立』と書いて『はなだて』と呼ぶようです。こんなの絶対初見じゃ読めない。
こちらの写真については取り忘れてしまいました…。申し訳ございません。
石楠立から大きく登り返すと万三郎岳です。一旦お疲れさまでした!
万三郎岳の山頂の様子
天城連山の最高峰である万三郎岳に到着です。標高は1,406m。
この地点に到達すれば、それすなわち『天城山を登頂した!』と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、到着時刻は8時50分で登山口からのコースタイムは1時間50分となりました。
万三郎岳の山頂には一等三角点が設置されています。記念にこちらもやさしくタッチしておきます。
全国には三角点めぐりを趣味としている猛者の方もいるようです。私も見つけ次第、こうして記録するようにしているのですが、一等三角点は日本全国に973か所に存在しています。とてもすべてを回収できる気がしないですね…。
万三郎岳の山頂も残念ながら樹木に覆われており、展望はありません。
それでも、『日本百名山』のブランドは伊達ではないらしく、多くの方々が山頂で思い思いの時間を過ごされているようでした。
かく言う私も山頂で一枚写真のシャッターを押していただきました。
『下手でごめんね~』なんて言っておられましたが、とてもナイスなアングルで写真に納めていただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
ちなみに私自身は山頂などで写真をお願いされた場合は、快くお手伝いをさせていただいております。『誰かの思い出に残る写真のお手伝いができる』って、素敵なことだと思ってます。
・・・
さて、いつもの登山であれば、山頂で長めの大休止を取っているわたくしですが、今日ばかりは違います。
登山口から万三郎岳の距離は約4㎞で、本日の行程の約7分の1ほどの地点となります。あまり悠長に休憩なんか取っていられません。イソイソと次なる目的地である八丁池へと向かいます。
なお、シャクナゲルートで下山する方については、万三郎岳の山頂から小岳方面へ少し進み涸沢分岐方面へと進みましょう。長い階段を下る➡涸沢分岐➡四辻➡天城高原ゴルフ場(ゴール)となります!
天城縦走路を辿って八丁池まで
万三郎岳からはゆるやかな下り坂を経て、15分ほど歩くと片瀬峠というポイントに到着です。
万三郎岳と小岳の鞍部になっている部分のようで、特段見どころはありません。
・・・見どころは無いと思っていたのですが、やたらと凝ったペイントが施された石を発見。
なんだか憎めない顔をしていますね。
片瀬峠から少し登り返して、今度は小岳に到着です。
こちらも山頂は樹木に覆われており、展望は皆無です。
『伊豆まで遠出してきて、何故こんなことをしているのだろうか』…と悩む男の図
のんきに自撮りをかましていますが、後々、時間に追われて後悔する男の図でもあります。
先ほどから展望が無いと嘆いてばかりいますが、今歩いている天城縦走路の森は、ブナやヒメジャラなど、手つかずの原生林の林立を眺めることができる素晴らしいルートです。
また、八ヶ岳や宮之浦岳といった、コケで有名な山岳ほどではないかもしれませんが、綺麗なモスグリーンの苔なんかも所々で眺めることが可能です。
・・・と言った具合に天城縦走路の良いところをいくつか考えてみましたが、これが限界。鬱蒼した森の中よりも、好展望の尾根歩きをしたいというのが本音です。
小岳からは一気に200mほど標高を落として、戸塚峠へと向かいます。
戸塚峠まで到着するお次は白田峠を経由して八丁池へと至ります。
ここまでは下りで傾斜のある登山道が続く印象でしたが、戸塚峠まで来てしまえば、戸塚峠➡白田峠➡八丁池までは平坦な歩きやすい道となります。
ただ、戸塚峠から八丁池までは、引き続き約4.5㎞の樹林帯歩きとなります。景色も代り映えしないので、ある意味で正念場かもしれません。
鬱蒼とした樹林帯を抜けて、森が開けてくると八丁池に到着です。
【天城の瞳】八丁池からの風景
長い長い樹林帯を抜けてようやく八丁池に到着です。時刻は11時30分で、登山口から4時間30分ほどでの到着となりました。
天候は生憎の曇りですが、鬱蒼とした森の中から解放されて爽快な気分だったのを覚えています。
八丁池は標高1,173mにある池で、以前は天城火口の火口湖とされていましたが、最近の調査で湖と断層のズレに水がたまって出来た池であることがわかりました。
池の名の由来は周囲が八丁(870m)あるところから名付けられたそうです。※実際には560m程度
『伊豆市観光情報』ホームページから抜粋
池の周辺は芝生のようになっており、一旦、こちらで昼食を挟むこととしました。
この八丁池は別名『天城の瞳』と呼ばれており、トレッキングコースとしても人気のエリアとなります。ただ、事前の情報では『何故、天城の瞳と呼ばれているのかは、見晴らし台から眺めれば理由がわかる。』と聞いていたので、早速、そちらへと向かいます。
見晴らし台の前にはトイレがあり、案内板も設置されているので、すぐに見つけられるかと。
そしてこちらが、見晴らし台となります。
それでは、あらためて『天城の瞳』とご対面です。
展望台から八丁池を見下ろすと『浮島にポツリと池がおさまっている』ような、特異な景観が広がっていました。
雲は多いですが、所々に青空も映り込み、なかなか良い写真が撮れたと一安心。
もう少し雲が少なければ、奥の方に富士山を眺めることも出来たようなのですが、それは欲張りすぎと言うものでしょう。
今日はこの景色が見れただけでも大満足。ご満悦で展望台を後にしたのでした。
・・・
なお、天城高原ゴルフ場の登山口から八丁池までの距離は約9.5㎞なっており、ここでようやく本日の行程の約3分の1を消化したこととなります。
まだ、半分も踏破していないという事実に、ブログを書いている今も戦慄しています…。
ちなみに、八丁池から少し歩くと『八丁池口』バス停が設けられており、(バスは季節運航で本数は少ないですが、)エスケープが可能となります。
ただ、『三筋山までは緩やかな下りが続くし大丈夫でしょ!』…という甘い考えのもと、登山の続行を決断します。
徐々に、その長い長い距離に心が蝕まれていくことになるとも知らずに…。
八丁池から青スズ台・東猿山を経て三筋山までのロングトレイル
ここまでも結構な距離を歩いてきたのですが、体力的にはまだ余裕がありました。
というのも・・・
- 登山らしい登り下りは、登山口~万二郎岳~万三郎岳の間くらいであったこと
- 天城連山➡三筋山と歩くと徐々に標高を下げていくことになるので足が温存できること
- 10月末日の登山と言うこともあり、快適な気候で登山で来たこと
・・・と言うのが非常に大きかったと思います。
そして、体力に余裕があることを良いことに、この後もくだらない寄り道で時間を浪費していきます。そして、後々、後悔することとなります。
八丁池の見晴らし台を出発して程なく見えてくるのが、青スズ台というピークで、巻いていくことも出来るのですが、体力も有り余っていたので、寄り道していくこととしました。
山頂までの標準コースタイムは20分となっているのですが、正直、このピークは敢えて踏みにく必要は無いように思います。
山頂にはこじんまりとしたお花畑があったりもするのですが、360°樹木に覆われており、展望は全くありません。
また、地図上では青スズ台のピークから『オオルリ遊歩道』を通って、そのまま三筋山までの縦走路と合流できることになっているのですが、あまり歩く人もいないせいか、登山道が判然としません。
結局、遊歩道を見つけられず、泣く泣くピストンして、登山道へ復帰するハメになりました。30分以上の手痛いタイムロスです…。
さて、青スズ台での混乱は有りましたが、ここからはサクサクと歩みを進めていきましょう。なにせ、三筋山の山頂まではまだ7㎞もあるのだから…。
農道と思しき道、荒れ果てて廃道のようになった道、いくつかのピークを通り越して、ひたすら歩みを進めていきます。
ホント無心で歩き続けました。この時のわたしは、もしかしたら悟りの境地に至っていたかもしれません。
いくつかピークらしき地点を通過するのですが、山頂碑のあったのは唯一、東猿山というピークのみでした。
相変わらず山頂には展望は有りません。もう慣れちゃったよ…。
ただ、東猿山を越えていく頃には、徐々にススキの群生が目立つようになってきます。
『そう。今日はこのススキを愛でるために頑張ってるんだ。』
こんな馬鹿げた登山を計画した理由を再確認し、気持ちを奮い立たせながら歩みを進めていきます。
天城・三筋山遊歩道を越えてススキの輝く山頂へ
東猿山をピークを抜けて写真の東屋が見えてくると、長かった樹林帯歩きは終了です。このポイントは『上佐ヶ野林道分岐』というのが正式な名称のようです。
ここからは、登山道の様相がガラッと変化します。
目の前に現れたのは、巨大な風力発電設備。唐突に現れるので、面食らってしまいます。
この分岐から三筋山までを『天城・三筋山遊歩道』というらしく、合計で21基の風力発電設備が設置されており、管理道と登山道を交互に入ったり来たりしながら、巨大なプロペラの脇を縫うようにして、三筋山の山頂へと向かっていきます。
なお、私が歩いた時は、車とすれ違うことは一度もありませんでした。
・・・
分岐地点までたどり着いた際、素直に感じたのは、『万二郎岳の山頂から見えた、風力発電整備の林立地帯までようやくたどり着いた』という安堵の気持ちが非常に大きかったです。
ただ、ここから三筋山までは約4㎞、ゴールの伊豆稲取駅までは、さらに4㎞の距離を歩く必要があります。
『まだ、こんなに距離が残っているのか…』と本気でため息をついたのを覚えています。
しかし、本日の見せ場は真にここから!ゴールに向けて(半分惰性で)足を動かしていきます。
ちなみに、分岐に到着したのは13時40分ごろです。10月末日と言うこともあり、まだ残っているコースタイムのことも踏まえると、これ以降もペースを落とさず進めていく必要があります…。
・・・
遊歩道の冒頭は味気ないアスファルト舗装の管理道歩きが続いていきますが、三筋山に近づくにつれて、徐々に展望が良くなっていくので、ご安心を。
なお、分岐点と三筋山の丁度中間地点に、展望所とされている場所があるのですが、こちらについても樹木に覆われてしまっており、展望は皆無です。
素で『なんのための展望所だよ…。』とつぶやいてしまいました。ただ、この遊歩道の見せ場はもう少し先になりますので、それまでは我慢の時間。
なお、アスファルト舗装の管理道だけを辿って、三筋山まで向かうことも出来るのですが、
- 天城連山を一望できるポイントがあること
- 開放的な尾根歩きが味わえること
- 季節によってはススキを愛でながら歩けること
・・・の理由から、なるべく遊歩道を辿っていくことをおススメします。(地味にアップダウンがあり、体力的な消耗はありますが、絶対的に遊歩道を通ることをおススメします。)
上の写真はすべて遊歩道を歩いた時に撮影した写真です。アスファルトの管理道を歩いていくと見逃してしまう絶景がいくつかあります。
天城・三筋山遊歩道については、全体で4㎞ほどですが後半の2㎞は本当に爽快な気分でトレッキングを楽しむことができました。そうこうしていると、ようやく本日最後のチェックポイントである三筋山の山頂に到着です。
三筋山山頂の様子~低山とは思えない大パノラマ~
そういうわけで、長い長い縦走を経て、ようやく三筋山の山頂までたどり着くことができました。標高は821m。
下り基調のコースでしたが、さすがに疲れた…。
しかしながら、山頂から見える景色を見た途端に、その疲れも消し飛んでしまいました。
こんな風に写真を撮ってしまうくらいにはね!
山頂は遮るものの無い大展望で、そこにここまで歩き切ったという達成感が最高のスパイスとなりました。登頂した時刻も遅めと言うこともあり、山頂を独占できたというのも大きかった…。
下の写真に写っているのが、今朝、登頂したばかりの天城山です。残念ながら山頂付近には雲がかかってしまっていますが、あそこからここまで歩いてきたのだと思うと感動も一塩でした。
直線距離でいくと大したことはないようにも見えますが、尾根上を迂回してここまでたどり着くのに、22㎞ほどを踏破してきたことになります。
数珠つなぎになっている風力発電設備もなかなか絵になる光景です。
登山の途中で人工物が混じってしまうと味気ないと感じてしまう方もいるかもしれませんが、これはこれで三筋山が織りなす唯一無二の光景であり、一見の価値のあるものだと思っています。
下の写真の通りですが、芝生上の開けた山頂となっています。
今回は天城山から縦走するという、半分冗談みたいな行程を踏みましたが、最寄りの伊豆稲取駅から向かえば、日帰りで十分におつりの来るくらいの絶景を手軽に味わえる場所だと思います。
正直、ずっとこの場所で留まっていたいとすら感じてしまう場所でしたが、現実を見なければなりません。
わたしが三筋山に到着した時刻は、15時を少し回ったところで、日も大きく西に傾き始めている時間帯となっていました。
あまり悠長に休憩を取っているわけにもいかず、本来ならばとっくに下山を始めなくてはいけない時間帯です。
当然のことながら『登山は家に帰るまでが登山です。』
山頂の風景に後ろ髪を引かれながらも山頂を後にしたのでした。
・・・
さて、ここからは余談となりますが、三筋山の山頂と同じくらい期待していた細野高原のススキですが、日が傾き高原全体に影が落ちてしまっており、なんだか消化不良の光景となっていました…。
こちらについては、来年以降に今度は細野高原と三筋山だけの計画を組んで再訪することを誓いました。
道中に自撮りの写真やらを自重すれば、夕日に輝くススキ野原を堪能できたはずなのですが、これではさすがに心残りです。
『二兎を追うものと一兎を得ず。』この言葉の意味を痛感した一日となったのでした…。
・・・
また、細野高原から最寄りの駅の伊豆稲取駅までは約5㎞となっており、1時間以上を費やして帰路につきましとさ。
細野高原→伊豆稲取駅までは街灯もほとんどない、暗い夜道を進む羽目になり、とても心細かったのを覚えています…。
駅の明かりが見えた時には、心底安心したのを今でも鮮明に思い出すことができます。皆様におかれては、無理のない計画を組み、余裕を持って下山されますよう…。
こうして、クレイジーな縦走トレイルは終了となったのでした。
天城山・三筋山(細野高原)の縦走を終えて
記事本編中でも触れさせていただきましたが、天城山と三筋山(細野高原)を一日で満喫しようとするのは、さすがに欲張りすぎたと反省しています。
それぞれの山には明確に旬な時期があり、
- 天城山であれば、ツツジやシャクナゲが咲き誇る5月~6月頃
- 三筋山であれば、今回のようにススキ祭りを狙って10月中旬~11月初旬頃
・・・に登山されることを強くおススメします。
なお、『わたしも同じルートを歩いてみたい!』という奇特な方がいらっしゃるようでしたら、私の場合のスタート時刻(登山開始が午前7時)よりも、1時間程度は早めにスタートすることをおススメします。
また、ヤマップ・ヤマレコの記録を拝見している限りでは、『三筋山→天城山→天城高原ゴルフ場からバスで帰還』という順路で歩かれているモンスター級の健脚者も存在しておりますが、このルートで行くと、徐々に標高を上げていくこととなり、体力的にはよりハードになるのではないかと思われます。
さらに、天城高原ゴルフ場発着のバスに乗り遅れると、タクシーを呼ぶ羽目にもなりかねません。その場合は結構な出費です…。
こんなコースを歩こうとする時点で体力に自信ありの方だと思いますが、一応、補足とさせていただきます(*- -)(*_ _)ペコリ
ここまで読んでくださった方が、『天城山に行ってみたい!』、『三筋山と細野高原でススキ野原を眺めたい!』と思ってくだされば、これほど嬉しいことはありません。
これからも、登山関連の記事を執筆して参りますので、たまにで良いので当ブログを覗いていただけると幸いです。
それでは。
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