登山の魅力がギュッと詰まった山と言えば、皆さんはどこの山を思い浮かべますか?
上の問の答えとして、個人的には、大月のシンボル的な存在である、「岩殿山」を推薦します。
そういうわけで、今回は、東京から好アクセスな「岩殿山」に繰り出してきた時の様子をご紹介させていただきます。
岩殿山は大月市が定める「秀麗富嶽十二景」にも数えられ、富士の絶景を拝むことができます。
また、「稚児落とし」の風景も岩殿山の特徴的な部分であり、一見の価値のあるものだと思います。
さらに、道中、そこそこスリリングな岩場なんかも楽しむことができます。
個人的な話になりますが、今年は北や南のアルプスに訪れることはできませんでしたが、今回の岩殿山でしか見ることのできない絶景は心に残るものになりました。
以下はその当時の記録です。ご覧いただけますと幸いです。
~2022年10月2日~
「岩殿山」までのアクセス
中央線の終着点として、そこそこ知名度のある「大月駅」ですが、都内から電車で向かうとなると約2時間程度の時間を要します。
秀峰の揃う山梨県大月市ですが、自宅の最寄駅からでは、4回も乗り換えが必要となり、出かけるにも億劫となっておりました。
そこで、休日を有効に利用するために「特急カイジ」を活用することとしました。初めて乗車しましたが、乗り方は至って簡単です。 (…が、説明は以下のサイトにわかりやすく紹介されていますので、参考にしていただければと。)
なお、乗車料金については、車内で料金を支払うこともできますが、割高になってしまうので注意が必要です。必ず駅の券売機等で購入するようにしましょう。
車内は大変快適でした。新宿からだと、約1時間で大月駅に到着です。
駅の前にドーンとそびえるのが本日の主役である「岩殿山」です。
低山ではありますが、露出した岩肌など見るととても厳つい山であるように感じられます(ただ、安心してください。初心者さんにもお勧めできる山ですよ!)。
大月駅構内を散策していると、漫画の「ヤマノススメ」の紹介コーナーを発見しました。読んだことはありませんが、ここ大月は聖地になっているようです。
なんと岩殿山山頂の写真を観光案内所の方に見せることでポストカードの記念品がもらえるそうです。
覚えていれば立ち寄ってみることにします。まぁ、覚えていればですが…。
ちなみに、観光案内所は駅を出てすぐ隣。気づかない方が難しい位です。
そして。こちらが、大月駅前の全景です。
都内でサラリーマンをしていると、中央線で寝過ごして気づいたら大月駅だった。というのは良くある話です。
ビジネスホテルもあるので、冬場に大月駅に放りだされても、凍え死ぬことはなさそうです。
マンホールもキレイな模様していました。描かれている橋は奇矯で名高い「猿橋」でしょうか。
毎回、毎回、登山開始までに時間がかかってしまい申し訳ないです。
ただ、こういうあまり来ない場所に来たからには、いろいろ探検したくなってしまうのが男の性というものです。
さて、岩殿山の登山口へ向かおうと思うのですが、駅から一番近くてポピュラーである「強瀬ルート」については、落石のため通行止めとなっています。
「強瀬ルート」の開通状況の確認については、「大月市観光協会」のホームページをご確認ください(参考URL:大月市観光協会 Otsuki Tourism Association – 体験する – 岩殿山 (otsuki-kanko.info))。2024年1月現在では、開通はまだのようです。
そこで、少々はなれた位置にある「畑倉登山口」を目指すこととなります。
歩いていけないこともないのですが、徒歩のコースタイムは約40分ほどとなっております。今日は奮発してタクシーを利用し移動することにしました。大月駅からの料金は1,500円ほど。
私は1人ですが、2~3人のパーティで登山するなら、許容範囲な金額だと思います。
タクシーの運転手さんにもあなたで今日はもう4人目だよと言われてしまいました。
時間をとるか節約をするか。判断の難しい距離感です。
ただ、徒歩で行かれる場合、車道スレスレの道を歩くことになりますので、車には十分にご注意してくださいませ。
「岩殿山」登山開始
タクシーで移動するとあっという間に登山口に到着です。
こちらの登山口からようやく登山開始です。
前置きが長くなっておりますが、ご容赦ください。
あと、登山口の脇に立っている「鬼の岩屋」の看板が気になるところ。
登山口の脇にカウンターがありましたのでカチリと一押ししておきました。
このまま一気に山頂へ向かいたかったのですが、いきなり鬼の岩屋へと向かう分岐に当たります。時間にも余裕があるので立ち寄っていくことにしました。
登山中はコースタイムを意識するあまり、こういうポイントはスルーしがちですが、もう一生この場に来ることはないかもしれないと思うと自然と足が動いて、ついつい寄り道してしまいます。
これも男の性というものです。
鬼の岩屋までは30mといったところでしょうか。すぐに到着してしまいました。
そして、これが鬼の岩屋の光景です。これはスルーで良かったかもしれません。
さて、再度、山頂に向けて出発です。
基本的にこの岩殿山については、最初が急登のパターンです。山頂についてしまえばあとは平行移動。
山頂では絶景(多分)が待っています。いきなり踏ん張りどこですが、頑張っていきましょう。
登山関係のブログを書いているとありがちなのですが、冒頭の樹林帯については、特筆して書くことがないので、山頂までの「つなぎの文書」については毎回難儀してます。
オレンジ色のきれいな花が咲いていました。高山植物に興味がないわけではないのですが、名前を覚えるまでには至っておりません。よって、この花の名前を僕はまだ知らない。
ちなみに、本日は10月とは思えないくらいの酷暑でした。暑くて、汗が止まりませんでした。
こういう、道中の草花や気候の話で山頂までのつなぎとしていくわけです・・・。
「岩殿山」山頂に到着
くだらない駄文を書き連ねてきましたが、ようやく山頂に到着です。
山頂で思う存分写真撮影に勤しみます。
・・・が、到着してすぐの山頂では用途が不明なアンテナが立っているだけで展望は皆無となっております。
位置づけは不明ですが、山頂碑が二か所にあり、もう5分程度移動すると展望が開けた場所に出ることができます。休憩するならもう少し頑張りましょう!
こんな感じの道をテクテク歩いていきます。
そしてようやく富士山とご対面です。ご覧のとおり大月の市街をバックに雄大な富士を眺めることができます。
見慣れた大月市の山頂碑の前でパシャリ。大月市公認の看板が立っているということはこちらが本物の山頂ということでしょうか?
本日は暑くて仕方がなかったのですが、季節としてはススキが見ごろを迎える秋となっております。
ベンチや東屋も設置されているのでこちらでお昼ご飯としました。お昼の写真は省略することが多いですが、毎回、カップ麺とおにぎりで済ませております。
そんな味気ない写真を使っても仕方ないですしね…。
岩殿山は、山頂と大月市街が非常に近く、文字通り大月市街を眼下に見下ろすことができます。
写真に写っているのはひときわ存在感を放つ「ホテルルートイン」です。こちらのホテルの建物だけが、大月駅前にそぐわないくらいの高層建築物となっています。
市街の脇を通る河川の色にご注目。非常に青色が濃く映っています。
晴天のもとゆっくりと山頂を堪能しましたとさ。
岩殿山から「稚児落とし」までの稜線を歩く
さて、山頂に別れを告げて出発です。
きれいな景色をありがとう!
岩殿山の山頂だけでも十分満足ですが、ここからもう一つの見どころである「稚児落とし」方面へ下山を開始します。下山と言っても、しばらくは上り下りのある尾根歩きとなりますが・・・。
しばらく進むと「揚城戸跡」という箇所に到着。
大きな岩の間を縫うように進んでいきます。ちょっと暗い写真になってしまい、雰囲気が良く伝わらなく申し訳ないです(汗)
鉄塔の下をくぐっていきます。
お約束の一枚です。
何やら不穏な看板もチラホラ見えてきます。
もうしばらくすると「クサリ場コース」と「林間コース」の分岐に到着します。ここは迷わず、クサリ場コースへ向かいます。
より険しそうな道を行く。これも男の性といういうやつです。
なかなか高度感のある岩場が続きます。
鎖ではなくロープも登場します。頼りなく見えますが、強度に不安は感じませんでした。
ハシゴのようなものも出てきます。ここは角度が急で結構緊張感がありました。
鎖場の全貌は上記のとおりです。不安を感じる方は、林間コースへ向かわれることをお勧めします。鎖場を抜けるとすぐに林間コースと合流です。
なお、ブログの写真では大げさに映していますが、そこまでの危険性は感じませんでした。
クサリ場を抜けるとしばらくのんびり尾根歩きです。
所々に大月市街を眺められるポイントがあります。町が近い山って、なんだかいいですね。しかし、手前のホテルルートインが目立って仕方がない。
「兜岩」へ向かう前の分岐に到着です。
ここは崩落がひどく立ち入り禁止となっています。ここは素直に林間ルートへ向かいます。
この手の通行止めとなると未来永劫、解禁されることはないのでしょうね…。残念です。
話を戻します。林間ルートと聞くとひたすら樹林帯を進むのかと思っておりましたが、急な斜面にロープが張られており、なかなかアスレチックなコースとなっておりました。
写真でうまく伝わるでしょうか?
林間コースも長くは続きませんので心を無にして進みましょう。無事に抜けたようです。
さて、ここで一か所チェックポイントです。
林間コースを抜けて少ししたところに、先ほど通過した岩殿山と大月市街を一望できるポイントがあります。
同じコースを辿られる方がおりましたら、是非、探してみてください!ホントにお勧めです!
(ちなみに、記事冒頭の写真もコチラで撮影したモノです。)
展望も何もない「天神山」のすぐ手前位と覚えておいていただければと思います。
そして、この下の写真が展望も何もない天神山山頂の写真です。単なる通過点ですね。
さらに、もう一回鉄塔の脇を通り抜けて、少し進むと急に景色が一変します。
もう一つの見どころ「稚児落とし」に到着
草木の生い茂る尾根を潜り抜け、展望が開けてくると、ようやく「稚児落とし」に到着です。
思っていたよりもスケールが大きくてテンションが上がること間違いなしです!
ただ、本当に断崖絶壁となっていて足を滑らせでもしたら命はないでしょう。
30年以上生きてきて初めて知ったのですが、自分は高所恐怖症のようです。自撮りをしようと試みますが、完全に腰が引けてしまっています。
他の低山にはない、この山独特の景観だと思います。ゆっくりこの景色を目に焼き付けていきました。
下山と大月市街をぶらりと観光
名残惜しいですが下山を開始します。
登山道については、特段見どころもないのでバッサリ省略です。下の方に見える集落に向かって一気に下っていきます。
到着~。
登山道を下り終えると車道を歩いて大月駅まで向かいます。これはコスモスでしょうか?
下の写真のように、所々、登山道までの標識が立っているので、迷うことはないかと思います。
秀麗富嶽十二景に対する大月市の力の入れようが伝わってきます。
しかし、「花咲山」という山が気になるな・・・。
車道歩きではありますが、川沿いのさわやかな道を歩くことができます。
立派な橋も掛かっています。渋滞で名高い中央自動車道です。
大月駅に近づいてきました。陸橋の上から大月駅と岩殿山をパシャリ。険しい山並みであるのが良くわかります。
そして、ようやく大月駅前に到着です。
冒頭はタクシーを使ってショートカットをしましたが、無事、一周してきたこととなります。
駅前のおみやげやさんに立ち寄っていきます。ここで、岩殿山の登山バッチを無事購入。
また、御城印など見慣れないお土産もあって眺めて面白かったです。
また、奇跡的にヤマノススメの記念品のことを思い出したので、記念にいただいていくことにしました。
おみやげ屋さんの店員さんが、「正面にある月cafeはお勧めだよ」というので、立ち寄ってみることとしました。
こじんまりとした喫茶店をイメージしておりましたが、なかなか立派な建物です。
中へ入ってみます。
店内はオシャレな空間が広がっていました。奥に見えるのは、高級な花の代名詞「胡蝶蘭」です。
季節の花々が生けられているのかな。
お勧めは「オムライス」と聞いていたのですが、ランチタイムが終わっており取り扱っていないとのこと…。
軽食で「BLTサンド」を注文しました。
大きくカットしてあることで、具材の味が生かされているような気がしました。とても美味しかったです。
本日の戦利品を眺めてニヤニヤしていると、「登山いかれてたんですかと?」と声をかけられました。
少し驚いてしまって「ハヒッ」と気のない返事をしてしまいました。
確実に怪しいお客とみなされたことでしょう・・・。
写真左が記念品のポストカードです。
ちなみにですが、行ってもない岩殿城の「御城印」を購入しています。何故、購入したかというと、こういうものは集めたくなるからです。これも男の性というものです。
お腹も満たして帰路につきましたとさ。
「岩殿山」登山を終えて
岩殿山。いい山だと思いました。
アクセスは抜群。景色も良好。アスレチックもありということで、コンパクトな行程でありながら、登山の醍醐味がぎゅっと濃縮された山だと思います。
個人的には、山頂と市街が非常に近接しているところに憧れを感じるというか…。
大月市街からシンボルとなる岩殿山を眼前に眺めることができて、日常に山がある暮らしっていいなと思いました。
また、今回初めて「秀麗富嶽十二景」に選定されている山に登りました。中央線沿線にあって、駅からのアクセスも良い山々のようなので是非、完全制覇を狙っていきたいと思います。
それでは。
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