当ブログの管理人【せなか】と申します。自分だけの【MY百名山】を選定することをライフワークにしつつ、日々、関東近郊の山々に出向いています!
今回は皇海山に登山してきました。標高は2,144mです。
…早速ですが、実際にこの山に登山をしてみて、登山口までのアクセス、登山道のレベル、歩行距離の面からみて、百名山の中でもトップクラスに登頂難易度が高い山だと感じました。
足尾山塊の中核に位置しており、登山口に至るまでも一苦労です。
さらには、深田久弥の歩いたクラシックルートを辿るのであれば難易度が高めの鎖場と長時間の歩行は免れません…。
そんな山にわざわざ行かなくとも…。となるかもしれませんが、
皇海山は【日本百名山】に選定されている山でもあるため、完全制覇を狙っている方からすれば、避けては通れない山となります。
でも、自分のレベルで歩き切れるか不安だな・・・。
…と、私自身も不安で仕方がなかったのを覚えています。
そこで、少しでも登山をされる方の助けになればと思い、皇海山をするうえで『知っておきたいこと』、『アクセス情報』などをまとめておりますので、参考にしていただければ幸いです。
(なお、わたしが歩いた時の模様については、別記事で紹介しておりますので、そちらも覗いていただければより道中の模様を知っていただけると思います。)
【2024年5月追記】
【庚申山荘】は現在、利用が停止されているようです。以下、【国民宿舎かじか荘HP】からの抜粋です。(2024年5月現在)
また、日光市HPについてはコチラです。
庚申山荘の利用停止のおしらせ
日本百名山のひとつ「皇海山」へのクラッシックルート上にある『日光市庚申山荘』については、建物に使用上の不具合が判明したため、しばらく施設の利用を停止します。
山荘の立地条件から、資材の輸送や改修方法について検討が必要となるため、施設の改修には時間を要することとなります。
登山者の皆さんにとって不便になりますが、山荘を利用する方の安全を確保するための措置ですので、理解と協力をお願いします。
また、当館ではこれ以上の情報はございませんので、詳細の情報は日光市足尾観光課までお願いいたします。
登山を計画される際には必ず情報の確認をお願いします。
公共交通機関・マイカーで皇海山の登山口までアクセスする方法
- 渡良瀬渓谷鉄道の通洞駅まで向かい、そこから徒歩かタクシーで銀山平キャンプ場まで移動
- マイカーの場合は、【銀山平 登山者駐車場】を利用して登山
- 栗原川林道については、度重なる土砂崩れ等で通行不可【2024年5月時点】
公共交通機関で皇海山の登山口までのアクセスする場合は、ある意味で非常にシンプルです。
渡良瀬渓谷鉄道の通洞駅まで移動しましょう。ここまでは、楽勝、楽勝~。
そして、通洞駅からはひたすら歩いて庚申山荘を目指すか、諦めてタクシーを呼びましょう。
ちなみに、バスなどの公共交通機関はありません。ある意味とってもシンプルです。ただ、ある意味とっても大変です…。
・・・
通洞駅から徒歩で庚申山荘を目指す場合、銀山平キャンプ場までは徒歩で約1時間40分、そこから庚申山荘までは長い林道歩きと山歩きで2時間30分ほどで、コースタイム通りなら合計4時間ほど歩くことが必要です。
ちなみに、私は銀山平キャンプ場まではタクシーを使用しました。
タクシー料金は片道で3,000円ほど。通洞駅前にタクシーが常駐しているのは稀なようで、【足尾観光交通】さんに電話をして駅まで来ていただきましょう。電話番号については、下の写真からっどうぞ。
個人的には、銀山平キャンプ場までは、特段見どころのない舗装道をひたすら歩くことになるので、タクシーを使われることをおススメします。
・・・
なお、車で入れるのは銀山平キャンプ場までです。
そこからは車の入場が制限されているので、おとなしく歩いて向かいましょう!
なお、マイカーで向かう方も基本は銀山平キャンプ場周辺の登山者用の駐車場を使うこととなります。場所については、以下を参考としていただければと思います。
なお・・・
林道については、車も走れないほど道幅が狭いわけではありませんが、車の通行は規制されています。違法なのかマナー違反で済むかはわかりかねますが、登山当日に一の鳥居(銀山平キャンプ場から1時間歩いたところ)まで車で侵入しているパーティが2組ほどいらっしゃいました。
登山を終えて、下山する際に偶然見かけたのですが、おそらく落石でタイヤがパンクしており、立ち往生しているようでした。車の周囲には人はおらず、銀山平まで助けを求めに行ったのではないかと思います…。とにかく、わたくから言えるのは、林道は大変な悪路になっていて、素直に徒歩で向かわれることを推奨するということです。
庚申山荘の宿泊方法と宿泊時の様子(現在利用停止中)
…宿泊の方法について記載しようと思っていたら、【庚申山荘】は利用が停止されているようです。
以下、【国民宿舎かじか荘HP】からの抜粋です。(2024年5月現在)
庚申山荘の利用停止のおしらせ
日本百名山のひとつ「皇海山」へのクラッシックルート上にある『日光市庚申山荘』については、建物に使用上の不具合が判明したため、しばらく施設の利用を停止します。
山荘の立地条件から、資材の輸送や改修方法について検討が必要となるため、施設の改修には時間を要することとなります。
登山者の皆さんにとって不便になりますが、山荘を利用する方の安全を確保するための措置ですので、理解と協力をお願いします。
また、当館ではこれ以上の情報はございませんので、詳細の情報は日光市足尾観光課までお願いいたします。
利用停止と言うことは素直に考えて(=宿泊できない)ということかと思います。
いずれにせよ、登山を計画される際には必ず情報の確認をお願いします。
携帯電話の電波状況について
以下は庚申山荘に掲示されていた張り紙です。
「皇海山登山コース中はドコモご利用になれます!」とのことです。
パーティの中に一人でもドコモユーザーがいれば少しは安心できるかもしれません。
なお、他のキャリアについては状況は不明です…。
過酷で長いクラシックルート
群馬県側から登れたときであれば割と苦労することもなく登頂できたのですが、登山道までの栗原川林道については、現在、「度重なる台風や大雨による被害、岩盤の脆弱化による落石の増加等」により、通過することができなくなっています。
そのため、群馬県側の「皇海橋」からも登山はできない状況ですのでご注意ください。(2024年5月時点)
難易度の高い栃木県側のクラシックルートについても、道中で宿泊が可能であった庚申山荘は使用できないとなれば、さらに難易度は上がることでしょう…。
ちなみに、袈裟丸山方面からも皇海山の山頂にアクセスができるようなのですが、私自身歩いたことのないルートを紹介するのも気が引けるため、この記事では割愛させていただきます。
銀山平からクラシックルートを使って歩く場合、山頂までのコースタイムは、余裕の8時間オーバーの非常にロングなコースを歩くことになります。(下山も含めると14時間オーバーです…。)
なお、私が登山した際に、銀山平のキャンプ場から日帰りでピストンするという強者とお話する機会がありました。
その方は「銀山平キャンプ場には日付が変わる前に到着して仮眠。その後、午前3時から歩き始めた。」とおっしゃっていました。
また、昨年登山した際に、庚申山荘の管理人さんともお話しする機会がありましたが、多くの方がコースタイムの通りに歩くことができないそうです。
設定されているコースタイムには休憩時間は含まれていないことがほとんどです。長時間の登山となりますので、体力を消耗してしてしまうとコースタイムについていけなくなるわけですね…。
そういうわけで、上記を踏まえてなお挑戦されるという方は、必ずヘッドライト等を携帯し、日没となった場合に備えましょう。
そして、なによりご自身の体力に見合った計画を立てることを心がけましょう!
クラシックルートの道中の様子
個人的には皇海山登山については3つのパートに分かれると思うので、順を追ってご紹介いたします。
庚申山荘から庚申山山頂までの急登
庚申山荘からは急登を登って山頂まで駆け上がることになりますが、この急登についても意外と辛かった…。
この急登を通過する時点では、まだ登山の序盤ということもあり、暗いうちに通過するであろう方もいるかと思います。
道の脇は切り立った崖になっており、意外とスリリングです。
鋸山直下の鎖場ばかりがフォーカスされていますが、こちらも十分に注された方が良いと思い、念のため、記載させていただきます。
庚申山から鋸山までの鋸尾根
クラシックルート最大の難所で、尾根の終盤は高度感のあるハシゴや鎖場連続します。
ゆっくりと足場を確保しながら登っていきましょう。
剱岳とか大キレットとか、それらの鎖場よりかは流石にレベルは落ちますが『滑落したら確実にただではすまない』箇所が連続します。
なお、鎖場だけではなくて、個人的には一部登山道が不明瞭である点も気になりました。
私自身、踏み跡を見失ってどっちに行こうか逡巡する場面も何度かありました。
マーキング等も一応はあったので、下ばかり見ずに視野を広くして慎重に進んでいきましょう!
六林班峠を経由しての下山
最後に下山時の留意点です。
下山のルートについては、
- 鋸山から再度、鋸尾根を使って下山するルート
- 六林班峠を経由して下るルート
・・・の2パターンが考えられます。(なお、両ルートは庚申山荘付近で合流します。)
ちなみに、私は「鎖場を下るのはリスクあるな~」と思ったので、【六林班峠を経由して下るルート】を選択しました。
【六林班峠を経由して下るルート】については、とにかく長いです。なんら変わり映えのしない道を3時間以上かけて庚申山荘を目指すのですが、退屈で仕方がなかったというのが、正直な感想です。
そして、一部では笹の生い茂った登山道を通っていくのですが、足元の笹で隠れた倒木に躓いて転倒してしまいそうなことが何度かありました。
無事登頂して、下山時にケガをするなんてシャレにもなりません。
上記の2つほどではないかもしれませんが、下山時も気を緩めずにいきましょう!
(・・・一応記載します。)皇海山の魅力について
皇海山の山頂は残念ながら展望が開けているわけではありませんが、道中の庚申山や鋸山からの展望はなかなかのものです。
庚申山から少し進んだ場所からは、皇海山の雄姿を眺めることができます。この姿を見れば、何故、皇海山が日本百名山に選定されたのか。その理由がわかることでしょう。
また、鋸山からの展望は、ほぼ360°の展望です。スリリングな鎖場を抜けたところに位置しているピークなので、安堵と達成感でより開放的な気持ちで山頂を堪能できるはずです。
山頂に至るまでの道中はベリーハードな皇海山ですが、私はこの山に登ったことが登山を続けていくうえで、大きな自信につながったと感じています。
終わりに
すみません。
庚申山荘で宿泊してから、皇海山へ登山という流れを想定していたのですが、本記事の執筆時点で、庚申山荘の利用停止について知ることとなりました。
群馬県側の栗原川林道からは登山不可。
…庚申山荘でも宿泊が不可となると、銀山平キャンプ場から日帰りピストンを強行せざるを得ない状況となっており、難易度の高かった行程がより難しくなってしまいました。
ここまでくると、この山に登ることを拒否する不思議な力が働いているとしか思えない状況です…。
体力と足に自信があるようでしたら、銀山平から日帰りを狙うのもありでしょうが、そうでない方については、素直に林道の復旧か庚申山荘のリニューアルを待つより仕方がないような気がしています。
それでは。
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