突然ですが、関東近郊で絶景の尾根歩きができる場所を知っていますか?
その場所は、丹沢山塊の最奥に位置にする、丹沢山と蛭が岳です。
秋の深まる10月末日、大倉BS→大倉尾根(通称バカ尾根)→塔ノ岳→丹沢山→蛭が岳→檜洞丸→西丹沢ビジターセンターを辿って、日帰りで丹沢の主稜を縦走してきました。
山と高原の地図によるとコースタイムは、13時間となっており、本来このルートを歩く場合、一泊二日を要するレベルの行程となります。
…が、そこらじゅうのブロガーさんも一日で縦走しきっているようなので、「ならば自分もできるだろ」という軽いノリで行ってまいりました。
正直に言いましょう。数年来の登山経験がある当方としては、毎年、北や南のアルプスの絶景を拝んでいるわけです。
今更、丹沢を歩いていたところで、大して感動もしないんだろうなと高を括っておりました。
ところがドッコイ。
さすが日本百名山に選定されている山だけあって、最高の尾根歩きを堪能することができました。
特に丹沢山から不動ノ峰を越え、蛭が岳へ至る際の尾根歩きはまさに絶景。
”一生心に残る”であろう景色に出会うことができ、大変満足な一日を過ごすことができました。
ただ、やはりと言うべきか、その長いコースタイムに絶望した一日でもありました…。
以下はその当時、身も心もズタボロになりつつも一日で丹沢主稜を縦走しきった山行を記したものです。ご覧いただけますと幸いです。
~2022年10月22日~
塔ノ岳・丹沢山・蛭が岳の登山口までのアクセス
行きの経路:塔ノ岳の登山口・大倉尾根(通称:バカ尾根)のある大倉バス停までのアクセス
小田急小田原線渋沢駅から神奈川中央交通バスで15分程度です。
最新の時刻表などについては、以下のサイトを参考としていただければと。
なお、マイカーをお持ちの場合は、東名高速道路「秦野・中井IC」から10㎞です。
また、バス停のある、大倉には「大倉駐車場」などいくつか登山者向けの駐車場が設けられています。
帰りの経路:について:西丹沢ビジターセンター(旧西丹沢教室)から新松田駅・
富士急湘南バス「西丹沢ビジターセンター」から乗車し、JR御殿場線「谷峨駅」まで約40分。小田急小田原線「新松田駅」まで約1時間10分となります。
最新の時刻表などについては、以下のサイトを参考としていただければと。
意外と遅い時刻までバスがあるので、安心できます。
コースタイム
なかなか、長丁場の一日になってしまいました。
例えば、「今日は塔ノ岳までする」、「山荘に宿泊して縦走する。」、「丹沢山に10:30までに到着できなければ引き返す」
…など、ご自身の体調・体力に合わせた計画をお願いします。
- 6:30(出発点)大倉バス停到着・登山開始
- 9:15塔ノ岳到着・休憩
- 9:40塔ノ岳出発
- 10:25丹沢山到着・休憩
- 10:45丹沢山出発
- 12:00蛭が岳到着・休憩
- 12:25蛭が岳出発
- 14:30檜の洞丸・青が岳山荘到着
- 16:05ゴーラ沢到着
- 16:30(終着点)西丹沢ンビジターセンター到着
無謀な登山を推奨するものではございません。
少々、長くなりましたが、以下から記事の本編となります。
塔ノ岳・丹沢山の登山口。大倉BSまでのアクセス
快晴の空のもと、おはようございます。
本日は自宅からのスタートではなく、渋沢駅周辺のビジネス旅館「たかの家」さんからスタートとなります。
昨日は、弘法山トレッキングコースで肩慣らしをして、前泊を行っております。
都内在住の身でありながら、丹沢登山のために前泊を行うなんて、ホント贅沢なことをしてると思います・・・。
普通であれば渋沢駅から登山口である大倉BSまでは、バス移動が一般的ではありますが、本日の長めの行程をかんがみると、なるべく早めにスタートしたいと考え、さらに奮発してタクシーを使用することとしております(なお、タクシーの料金は渋沢駅からで約1,500円位でした。)。
なお、大倉バス停にバスでアクセスするのであれば、バスの始発は「6:48」に渋沢駅を出発するバスとなりますので、参考としてください。(2024年2月時点)
その他の時刻については、神奈川中央交通さんのHPで確認をお願いします。
大倉BSから「バカ尾根」を経て塔ノ岳山頂へ
つつがなく、大倉BSに到着です。時刻は6時30分でした。うん、朝日が気持ちいです。
余裕をもって、もう少し早めに出発したかったのですが、若干、寝坊をかましてしまいまして、こんな中途半端な時間の出発となりました。
さて、ここから長い長い丹沢主稜との戦いが始まります。
登山届出を提出できる記入台もあります。忘れずに提出していきましょう。
10分程度、舗装された道を歩いて、登山口に向かいます。
なお、この辺りに、かの有名な丹沢クリステルがあったらしいのですが見つけられませんでした。
さて、冒頭は大倉尾根を辿って、一つ目の目的地である塔ノ岳を目指します。
この大倉尾根は、通称バカ尾根と呼ばれることが多いかと思います。
何故、バカ尾根と呼ばれるのかを簡単に調べてみましたが、単調で風景も代り映えしない登山道を6.4㎞もひたすら馬鹿みたいに進むということからバカ尾根と名付けられたようです。
バカ尾根とはどの程度のものか。
気持ち良い木漏れ日のもとスタートです。
30分程歩いたところで、観音茶屋に到着です。現在は休止中のようです。
観音茶屋を過ぎたあたりで分岐が現れます。
大観峰とはロマンのある響きですが、事前調べでは、山頂の方が見ごたえある景色とのことだったので、今回はスルーとします。
大観峰を経由していくルートだと遠回りになっちゃいますので。
分岐から、さらに15分程度進むと、見晴茶屋に到着でです。
きれいな建物で宿泊なんかもできるそうです。
さて正直、ここまでは傾斜も緩やかでバカ尾根もこんなもんかと思っておりました。
・・・が、この見晴茶屋を過ぎたあたりから、バカ尾根の本性が姿を現し始めます。
見晴茶屋を過ぎた辺りから、こんな感じの階段場が頻発します。
先を見上げるとどこまでも階段状の坂道が続いてきます。
あたりは樹林帯に囲まれており、景色も代り映えしません。心を無にして登っていきます。
道中は平坦な部分もあるにはあるのですが、しばらくするとご覧の通りの登り坂となります。
7時50分。駒留茶屋に到着です。こちらは休止中かな?
道はとてもキレイに整備されているんですがね・・・。平坦な道を歩きたい・・・。
途中で歩荷(ボッカ)さんにも追い抜かれてしまいました。あんなに荷物を抱えているのにどうしてあんなにキビキビ歩けるのだろうか。
8時20分。堀山の家に到着です。ここで少し休憩を取りました。
大倉BSから塔ノ岳まで、距離的には三分の二ほど進んできました。
コースタイム的に言えば、この堀山の家が大倉尾根の中間地点です。ということはここからまだまだ登るということです…。
木々の間からは富士山がひょっこりと顔を出していました。
堀山の家を出発してからも、あいも変わらず階段地獄です。ここからも、心を無にして進んでいきます。
バカ尾根階段コレクション。その①
その②
その③
正直、辛くて退屈な時間です。
ただ、だいぶ高度を上げられました。振り返ると富士山もこのとおり。
突然、かき氷ののぼりが見えてきました。
花立山荘に到着です。到着時刻は8時50分でした。
本日は10月末であるにも関わらず、暑くて仕方がありませんでした。
かき氷を食べたい誘惑にもかられましたが、山頂まではもう一息。ここは心を鬼にして先に進みます。
出発してからも、登りは続きますが、景色は開放的になってきました。
花立山荘を出発し、がれ場を超えると花立というピークに到着します。ここの眺めは結構印象に残ってます。
眼前に見えるピークが塔ノ岳。
目を横にずらすと丹沢主稜を一望できます。
ちなみに、手前から丹沢山、不動の峰、蛭が岳です。あれらを越えて下山するわけですが、こうしてみるとまだまだ全然距離があります。
本当にあそこまでたどり着けるのだろうか・・・。 一抹の不安を感じてしまいます。
花立を出発し、少し歩くと金冷しの分岐に到着です。
塔ノ岳を登頂して、ここから鍋割山を経由して下山するのが定番ルートでしょうか?
…しかし、地名の由来が気になってしょうがない。
山頂直下まで延々と上り坂が続いていきますが、森林限界も超えて景観も抜群です。
最後の階段を登り切ってようやく塔ノ岳に到着です。
塔ノ岳の山頂に到着
大倉バス停から約7㎞の道のりを経てようやく塔ノ岳の山頂に到着です。到着時刻は9時15分、大倉BSからのタイムは約150分程度でした。
なんだかんだ言って、なかなか快調なペースで登ってくることができました。
実は塔ノ岳に登山するのはこれで通算3度目となります。
前の2回はいずれもヤビツ峠からの表尾根ルートを使用していたので、バカ尾根を使用しての登山は初めての経験です。
麓の大倉 から塔ノ岳の山頂までの標高差は約1,200メートルになりますが、その間、延々、代り映えのしない階段道を登らされるのですから、そりゃバカとも言いたくなる気持ちもわかります。
今回初めてバカ尾根を登ってみた感想ですが、単純に塔ノ岳の登山を目的とするのであれば、絶対に表尾根ルートを進むべきだと思いました…。
登山系の雑誌やサイトを拝見していると、危険個所もなく初心者のデビューにうってつけなんて言葉が並んでいましたが、こんな展望の良くない山道を7㎞も歩かせたら、嫌気がさすんじゃなかろうかと心配になります。
私が初心者の方を連れてくるなら、このルートに連れてくることは無いでしょう。
ただ、道中はこれ以上ないくらいキレイに整備がなされておりました。
さて、バカ尾根への悪態はこの位にしておいて、塔ノ岳の山頂の様子をどうぞ。
始発のバスが動く前に出発しましたので、山頂の人出はそこそこだったかなという印象です。
山頂碑の前で渾身のドヤポーズです。
キレイな富士をバックに記念撮影です。
こちらが尊仏山荘です。前回登山したときはここで登山バッチを購入した記憶があります。
何故尊仏なのか気になっていたのですが、かつて塔ノ岳を約70mほど下った斜面に「尊仏岩」という巨岩があって麓の人々の信仰を集めていたことに由来しているそうです。塔ノ岳の別称として、尊仏山と言うこともあるそうです。
さて、あまり油も売ってはいられません。ここまで来て、本日の行程の約3分の1にも到達していないというのが現実です。
下の写真の一番奥にちょこっと顔を出しているのが蛭が岳になります。
「自分は無謀なことをしようとしているのではないか ?」
そう感じて、居ても立ってもいられなくなりました。
休憩もそこそこに、次なる目的地である丹沢山目指します。
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blog本文の文字数や使用した写真の枚数が多くなり過ぎましたので、ここで後編へ続きます。
続きも、是非、ご覧いただけますと幸いです。
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